物語の舞台は1970年代のハリウッド、そしてロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマンといった大物俳優が共演ということで重厚な物語なのかと思いきや、キービジュアルからしてコメディなので、どんな物語なのかと観てみると、良い意味で想像とは違うおもしろさが味わえます。ロバート・デ・ニーロが演じるマックスはB級映画のプロデューサーで、“個性的”な作品を作るもなかなかヒット作に恵まれず、ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金を返せず窮地に立たされています。そんな折、あることをきっかけにマックスは一攫千金のアイデアを思いつき、新作映画の制作に乗り出します。でも、そのアイデアというのがとんでもないもので…。ここからは映画を観ていただくとして、本作に共感が持てるのは、登場人物皆に映画愛があること。中でもマックスは窮地に立たされているために平常心を失っていて、「それ、あかんやん」という方法に手を出してしまいますが、いろいろな場面で誤算が誤算を生み、ある種のミラクルが起こるところが笑えます。ノリ的には極端にいうと、吉本新喜劇のような、観ていくうちに次の展開が読めてきて、それがその通りになるのが心地良く、「あ〜あ(笑)」「やっぱり(笑)!」と思いながら楽しめるコメディです。
そして本作を観ていて、「メインキャストの3人は今おいくつなんだろう?」と思って調べたら、ロバート・デ・ニーロとトミー・リー・ジョーンズは70代、モーガン・フリーマンはもう80代なんですね。3人とも元気でまだまだ活き活きとしていて、こんなにも長く活躍できるってスゴいなと思うと同時になんだか元気ももらえます。名優達が全力でコメディをやってる姿をぜひご覧ください。
ラブストーリーの要素はほぼないですが、逆にとても気楽に観られるし、わかりやすいストーリーなので、普段映画をあまり観ないというカップルでもとっつきやすい作品です。そしてコメディなので、一緒のツボで笑えるかどうかで、相性も計れるのではないでしょうか。また、最近物事がうまくいかないことが多くて疲れてるなという方にも、主人公の姿は疲れを通り越して笑っちゃうレベルに見えると思うので、気分転換にもオススメです。
主人公はおじいちゃん達ですが、無理矢理そこに目線を合わせなくても、俯瞰して観て、キッズやティーンも普通に笑えると思います。ギャグは万国共通わかりやすい内容で、動物達も出てくるので楽しいですよ。友達と観ても良いし、家族で観ても楽しめます。おじいちゃんやおばあちゃんを誘うのもアリでしょう。
『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』
2021年6月4日より全国公開
アルバトロス・フィルム
公式サイト
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TEXT by Myson