タイトルのイメージと三木聡監督作というところでコメディなのかと思いきや、意外にじっとりした作品です。キャッチコピーは「コンビニ発、ちょっと異世界アドベンチャー」となっていて、まさしくその通りですが、映画をよく観る方は早めにカラクリに気付くと思います。ただ、それでも「あれ?」と思うところは複数出てくるので、良い意味での混乱を味わうことができます。
クセのあるキャラクターがたくさん出てくる点も本作の見どころです。コンビニの店員、恵子を演じた前田敦子は独特な話し方が印象的で、奇妙なセクシーさを醸し出しています。加藤(成田凌)の恋人ジグザグは良い感じでネジが緩んでいて、片山友希のユーモアのセンスの良さを感じさせます。
本作は不気味な世界観で描かれつつ、ちょいちょいクスッと笑えるシーンもあります。この独特なムードに浸ってみてはいかがでしょうか。
ネタバレになるので詳細は避けますが、デートで観ると異様な空気になる要素がいくつかあります。また、良くも悪くもクセがあるので、好みが分かれそうです。1人で観るか、映画の好みが合う友達と観るほうが気楽に楽しめるでしょう。
キッズにはちょっと怖いかもしれないシーンがあり、内容からしても、もう少し大きくなってから観るほうが楽しめそうです。ティーンの皆さんは不気味な世界観が好きなら観てみても良いのではないでしょうか。どんなカラクリが隠されているか予想しながら観てみると一層楽しめると思います。
『コンビニエンス・ストーリー』
2022年8月5日より全国公開
東映ビデオ
公式サイト
© 2022「コンビニエンス・ストーリー」製作委員会
TEXT by Myson