REVIEW
古典落語の名作「柳田格之進」をベースにした本作は、『孤狼の血』『彼女がその名を知らない鳥たち』の白石和彌が監督を務め、時代劇に初挑戦しています。ある冤罪事件により故郷を追われた格之進(草彅剛)は、娘の絹(清原果耶)と共に江戸の貧乏長屋で暮らしています。そんなある日、格之進は旧知の藩士により冤罪事件の真相を聞かされ、復讐を決意します。
格之進が囲碁を得意とすることから、本作には囲碁のシーンが多く登場します。囲碁に詳しい方なら、格之進の囲碁の強さや、打ち方から滲み出る性格などもより理解できるのではないでしょうか。とはいえ、囲碁がわからなくても物語には問題なくついていけます。普段は真面目で娘思いの格之進が復讐を決意した理由、そして、格之進を取り巻く周囲の人達との人間ドラマも見どころです。
本作には格之進を演じた草彅剛をはじめ、清原果耶、中川大志、斎藤工、小泉今日子、國村隼など豪華キャストが出演しています。個人的には絹とお庚(小泉今日子)などの女性キャラクターが特にお気に入りで、さまざまな困難に負けず強く逞しく生きる姿が心に残っています。静かで緊張感溢れる囲碁のシーンと派手な殺陣のシーンのコントラストも見事で、映像としても見応えがあります。時代劇ではあるものの、人間ドラマやサスペンス要素も含んだ作品なので、どんな方でも親しみやすい作品だと思います。
デート向き映画判定
若者達の恋愛模様も描かれており、初々しいやり取りは時代に関係なく共感できるのではないでしょうか。また、格之進と絹の親子愛が観られるのも本作の醍醐味なので、これを機にお互いの家族を紹介するのも良さそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定
大人の愛憎物語が展開するので、キッズはせめて中学生くらいになってから観たほうが、物語への理解が深まりそうです。ティーンの場合は、娘の絹の視点で観られると思います。また、本作には囲碁のシーンがたくさんあるので、もし囲碁が気になったら、ご自身でも調べたり、挑戦してみるのもアリです。
『碁盤斬り』
2024年5月17日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト
©2024「碁盤斬り」製作委員会
TEXT by Shamy
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情報は2024年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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