REVIEW
完全犯罪をテーマにした本作は、狡猾な人間が裏の裏をかいていく駆け引きのカラクリを予想しながら観るおもしろさがあります。伏線が張り巡らされているので、一見無関係な出来事でも最初から注意深く観てください。そして、物語の軸も徐々に変化していき、意外な展開を見せます。登場人物達の些細なやり取り、引っかかる言動を気にとめながら観ると、早く真相に気付くと思います。
ネタバレになるので内容には触れずにおくとして、本作では岡田将生、羽村仁成の演技力が光っています。まず岡田将生は優しい二枚目を演じてもハマりますが、個人的にはやっぱり本作のキャラクターのようなサイコパスな役柄を演じる彼がおもしろくて好きです。彼が演じる東昇が完全犯罪を進める上でどんな表情を見せるのか楽しみにしてください。そして、安室朝陽を演じる羽村仁成は、大人に毅然とした態度で向き合う中学生を好演しています。彼が出演する今後の作品にも期待が膨らみます。
本作は、不穏な空気しか漂っていない(笑)、見応えのあるクライムサスペンスです。最後はいろいろな意味で「怖っ!」となりますよ。ぜひこのゾクゾクを体感してください。
デート向き映画判定
カップルが登場するとしても、自分達に置きかえて観るような設定ではないので、完全にエンタテインメントとして気楽に楽しめるでしょう。殺人事件が起こるシリアスなストーリーでありながら、露骨な描写はそれほどないので、相手が極端にサスペンスやスリラーが嫌いというわけでなければ、誘ってみても良さそうです。巧みなカラクリが描かれている一方で、ツッコミどころもあるので、鑑賞後の会話のネタも見つけやすいと思います。
キッズ&ティーン向き映画判定
3人の中学生が完全犯罪の容疑者と対峙します。3人はキャラクターが全然違うので、誰か1人は感情移入できるキャラクターが見つかるかもしれません。現実世界では彼等のような大胆な行動を起こすことはあり得ないからこそ、映画的なストーリーを堪能して、スリルを味わってみてはどうでしょうか。
『ゴールド・ボーイ』
2024年3月8日より全国公開
PG-12
東京テアトル、チームジョイ
公式サイト
©2024 GOLD BOY
TEXT by Myson
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情報は2024年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。