REVIEW
ヨルゴス・ランティモス監督がキャリアの初期に手掛けた、カンヌデビュー作である本作は、2009年に製作されたギリシャ映画です。想像通り、強烈な作品となっています。都度驚きと狂気を感じながら観ていただきたいので、ほとんどあらすじに触れずにレビューしたいと思います。
序盤から「???」となる会話が交わされ、一気本作の世界に引き込まれます。そして、次から次へと不可解なシーンが映し出されていきます。一方でストーリーが展開するにつれ、何が起きているのかを理解し始めるものの、どういう結末が待っているのかは読めず、最後まで目が離せません。
本作に登場する一家の“ルール”には限界があります。だから、何度も“崩壊”しそうになるものの、何とか回避されます。それでも、予期せぬ事態は起き、クライマックスでは大きな展開があります。そして、やっぱりヨルゴス・ランティモス監督作ですから、とっても皮肉な結末が用意されています。とはいえ、しっかり筋が通っていて、これしかないと納得のいく結末となっています。
俳優陣の演技も見事で、本当に不気味で狂気的な世界が完成しています。俳優陣の中でも特に長女役アンゲリキ・パプーリァ(アンゲリキ・パプリア)の演技が素晴らしいです。ヨルゴス・ランティモス監督はもちろん、この強烈な世界観を体現してきた俳優の方々の貢献ぶりも実感させられます。
デート向き映画判定
性描写もふんだんに出てくるので、デートで観るのは気まずいでしょう。ただし、歪んだ価値観を客観視できる内容なので、一緒に観て共有しておくのもアリです。どんな映画でも一緒に観て平気というカップルは、観ていろいろ語れると思います。
キッズ&ティーン向き映画判定
R-18なので、残念ながら18歳になるまでは観られません。とはいえ、本作に登場する若者の姿を観ると、同世代の皆さんは思うところがたくさん出てくると思います。もし、自分が彼等と同じような状況だったらどうするか、どうなるかを考えてみることで、逆に自分にはできることがもっとあると思えるかもしれません。
『籠の中の乙女 4Kレストア版』
2025年1月24日より全国公開
R-18+
彩プロ
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TEXT by Myson
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情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。