REVIEW
福本伸行(原作)と、かわぐちかいじ(作画)による「告白 コンフェッション」(講談社「ヤンマガKC」刊)を映画化した本作は、まず設定の巧さが際立っています。登山中の2人の男性(生田斗真、ヤン・イクチュン)が、吹雪で遭難しかけていて、そこである告白が行われます。その告白が思わぬ事態を招きます。
そして、登山中に遭難しかけて救助を待っているという設定もすごく効いています。主な登場人物は3名ではあるものの、ベースは生田斗真とヤン・イクチュンの二人芝居で進行するシチュエーションスリラーとなっています。上映時間は74分と短いものの、親友であるはずの2人のキャラクターの関係が1つの告白によって大きく変化していきます。
2人の演技も見もので、まずヤン・イクチュンの迫力ある演技に見入ってしまいます。そして、『シャイニング』を彷彿とさせるシーンや、見事な匍匐前進に逆にクスッと笑ってしまうシーンも出てきます。終始怖いという感覚で観る方もいると思いますが、ホラー、スリラーを観慣れている方は、だんだん笑えてくるようなテンションも持ち合わせています。こうした隙間にユーモアを入れてくるあたりはさすが山下敦弘監督ですね。生田斗真が演じるキャラクターも観察し甲斐があります。2人の掛け合いをよくよく観察していると、結末で違和感が解消される、ある種の爽快感が味わえます。
デート向き映画判定
デートのムードが盛り上がるストーリーではいえないものの、アトラクション感覚で観ると盛り上がれるかもしれません。表面的に進行しているストーリーと、回想と共に進行する別のストーリーの繋がりを想像しながら観るおもしろさがあるので、鑑賞後に話したくなる話題も見つかるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定
PG-12なので大人と一緒なら小学生でも観られます。ただし、怖いものや人が極端に苦手で、好奇心もない状態で観ると、子どもにとってはかなり怖い印象が残りそうです。怖いストーリーに免疫ができておらず、まだ自信がない方は、大きくなってから観るほうが良さそうです。
『告白 コンフェッション』
2024年5月31日より全国公開
PG-12
ギャガ
公式サイト
© 2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。