REVIEW
主人公のクレイヴンは、原作コミックではスパイダーマンの宿敵として、ヴェノムに匹敵する強さを持つヴィランとして描かれています(映画公式資料)。しかし、本作では多面性を持つヒーロー的な存在として登場します。
裏社会を取り仕切る父親のもと、腹違いの弟とともに育った若きセルゲイ・クラヴィノフは、狩りの最中に命の危機に瀕します。その際に一命を取り留めたきっかけとなる出来事が、セルゲイを変化させます。その後、父のもとを離れて暮らすようになったセルゲイはクレイヴン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と名乗るようになり、影で悪を制する存在となります。
クレイヴンはライオンにゆかりがあり、強靱な肉体と野生的な五感を使って敵を倒します。アーロン・テイラー=ジョンソンは、バッキバキに体を鍛えていて、キャラクターの強さに説得力をもたらしています。これでもかといわんばかりに割れた腹筋には思わず目が留まります(笑)。
そして、本作の脇を固めるキャラクターも魅力的です。まず、裏社会を取り仕切る冷徹な父ニコライを演じるのはラッセル・クロウ。ニコライの凄みはラッセル・クロウの演技力と醸し出される貫禄の賜物です。アリアナ・デボーズが演じるカリプソの存在は、ゴリゴリの男性社会を描くストーリーに華を添えています。フレッド・ヘッキンジャーが演じる弟ディミトリも、最後まで目が離せないキャラクターです。フレッドは、リドリー・スコット監督作『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』でも双子の皇帝の一人カラカラ帝を演じていて、今ノリに乗っていますね。そして、アレッサンドロ・ニヴォラが演じるライノも強烈なキャラクターです。何が強烈かは観てのお楽しみに。
本作は、思いのほか激しい描写があり、R指定となっています。スピーディーでワイルドなアクションがふんだんにあり、ドロドロとした人間模様も見応えがあります。マーベルの中でも独特な系統のキャラクターをぜひチェックしてみてください。
デート向き映画判定
激しい描写もあるので、普段あまり映画を観ない方を誘う場合は、一応R-15である旨を伝えた上で検討してもらうと良いでしょう。その点がクリアされれば、エンタメ性はバッチリで、カップルで観て気まずくなるような展開もないので、気楽に楽しめると思います。恋愛要素は出てこないので、友達以上恋人未満の2人にも観やすい内容です。
キッズ&ティーン向き映画判定
15歳以上の方は観られます。刺激の強い描写があるものの、アメコミがベースなのでR指定の映画に初めてチャレンジする方に向いている作品だと思います。兄弟の絆や、複雑な親子関係が重要な要素となっていて、特に主人公がティーンエイジャーのシーンは共感できるところもあるでしょう。なので、きょうだいがいる方は一緒に観ると、普段話さない胸の内を語るきっかけにできるかもしれません。
『クレイヴン・ザ・ハンター』
2024年12月13日より全国公開
R-15+
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
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