高校時代につるんでいた6人の仲間達は、友人の結婚披露宴の余興で赤いフンドシを付けて踊る“赤フンダンス”を披露します。恥をかきつつもやりきった6人は、二次会までの時間を持て余しながら、過去を振り返り…と物語が展開していきます。現在と過去のパートが両方観られることで、主人公の吉尾(成田凌)の人物像や仲間達との関係性が見えてくるのがとても秀逸。詳細は控えますが、現在と過去のシンクロが観られたり、「これはもしかして?」と思う部分もあるので、ぜひ細かなところまで注意深く観てみてください。
また、6人の仲間達を演じた成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹の演技力もそれぞれ光っていて、彼らの会話劇だけでも十分見応えがあります。その脇を固める城田優、前田敦子、滝藤賢一らも個性的なキャラで登場し、本作をさらに盛り上げています。学生時代のノリが大人になってもそのまま残っている感覚は誰もが共感できると思いますし、ご自身の学生時代を思い出して懐かしい気分に浸ることもできそうです。男子6人グループの青春物語だけでなく、人間ドラマにグッと来たり、彼らのワチャワチャ感に笑えたり、いろいろな角度から楽しめる作品です。
デートで観ても楽しめます。学生ノリの「お前、誰が好きなんだよ」といったやり取りは、大人目線なら懐かしく感じると思います。観賞後は、お互いの学生時代の話を自然な流れで聞き出せますし、これを機に仲の良い友人を紹介してもらって、相手の新たな一面を知ることもできそうです。
単純に映画としても楽しめますが、今まさに学生生活を送る皆さんの場合は、6人の友情に注目してください。本作では、学生時代から今に至るまでの彼らの友人関係が映し出されています。時には微妙な関係になったり、疎遠になることもあると思いますが、彼らのように大人になっても昔と同じように仲良くいられる友達はとても貴重だと思います。ぜひ今ご自身の周りにいる友人も大切にしてくださいね。
『くれなずめ』
2021年5月12日より全国公開
東京テアトル
公式サイト
©2020「くれなずめ」製作委員会
TEXT by Shamy