REVIEW
浅草にある東洋館を拠点とする漫才協会には、2023年12月現在、124組、215名の芸人が所属しています。本作は2023年に協会の会長に就任したナイツの塙宣之が監督を務め、協会の今を捉えたドキュメンタリーです。ナレーションは、ナイツの土屋伸之、小泉今日子が担当しています。
漫才協会の歴史を辿りながら、ベテランから若手まで、どんな芸人達がどんな生活を送りながら、芸の世界に生きているのかを追っています。登場する協会員達は本当に個性豊かで、波瀾万丈な方達も登場します。テレビで見る顔も、生のお客さんを前にライブをした後の表情はいつもと違い、東洋館での演目は、そこでしか味わえない趣があるのだろうなと伝わってきます。また、劇中では勧誘活動の様子も描かれていて、協会に属していない売れっ子芸人達を招いたイベントの模様も映されています。どんな芸人が出てくるのかも楽しみにしてください。
そして、時代の変化と共に失われつつある師弟関係にもフォーカスしている点が印象的です。そこには、先人の生き様を見て学ぶのが一番といえる“芸人としての在り方”のお手本がいくつか示されています。本作を観ると、塙会長が漫才協会の存続をかけてさまざまな活動をしている様子がうかがえ、本作もその一環として作られたのだと感じます。塙会長をはじめ、所属する芸人達が漫才文化を継承しようとする姿、人情味溢れる関係に共感を覚えます。
デート向き映画判定
ロマンチックなムードを期待する場合は向いていませんが、逆に友達以上恋人未満の2人など、緊張感を避けたい2人には観やすいでしょう。人情味たっぷりの世界観にホッコリしたり、時に良い意味でクセの強い芸人も登場して、漫才協会に興味が湧く方もいると思います。2人とも興味が湧いたら、東洋館に一緒に漫才を観に行くのも良いですね。
キッズ&ティーン向き映画判定
キッズの皆さんにはちょっと渋過ぎる内容かもしれません。テレビでよく見る芸人も、あまり見かけない芸人もたくさん登場します。中には、皆さんと年が近い若手芸人も登場して、どんな下積み生活を送っているのか垣間見ることができます。芸事の世界のトリビアも出てくるので、雑学が好きな方も観てみてはどうでしょうか。
『漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~』
2024年3月1日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト
© 漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。