新選組は不動の人気があり熱烈に好きな方もいらっしゃるので、何がそんなに皆を惹きつけるのかと、新選組が関わるいろいろな作品は観てみるようにしていますが、正直なところ毎度興味が湧くのは沖田総司くらいでした(苦笑)。でも本作はそんな私にもわかりやすくて、ぶっちゃけ初めて近藤勇と土方歳三に興味が持てました。
歴史ものとして楽しむ方も多いと思いますが、チームを率いるリーダーシップ、組織作りという目線でも現代人の私達に参考になるストーリーで、立場的なリーダー、2番手に見えて実質上のリーダーといった関係性がとてもわかりやすく描かれています。岡田准一が演じる土方歳三がカッコ良くて、土方歳三が主人公ということもあり、自然に彼に感情移入しながら観てしまいますが、新選組ファンの方、歴史ファンの方だとどんな目線で観るのか聞いてみたくなる内容でもあります。
また、新選組の誕生前と衰退後も描かれている点で、新選組の影の部分も一層見えて興味が湧きます。政治的な駆け引き、仲間内の駆け引きと、人間のドロドロした部分もドラマチックです。気負わずに楽しんでください。
意外にラブストーリーの要素も入っていて、カップルで観るのも良いと思います。蘊蓄を一方的に語ると歓迎されるかわかりませんが、わかりやすく解説してもらえると嬉しい内容でもあるので、新選組に詳しい方は少しカッコ良い一面を見せられるかもしれません。でも歴史にそこまで詳しくなくても楽しめる内容なので気負わなくても大丈夫です。
「日本史、覚えなきゃ!」となると大変に思いますが、本作のような映画をきっかけに興味が持てれば勉強も楽しめるのではないでしょうか。幕末は多くの映画やドラマで描かれていることからわかるようにとてもドラマチックです。史実を基にしたフィクションや脚色があることはわかった上で観ることが必要ですが、誰でも知っているような歴史上の人物の名前も飛び交うので、本作鑑賞後または観賞前に幕末の主要人物について調べると頭に入りやすくなり、映画を観ながら知識を定着できると思います。
『燃えよ剣』
2021年10月15日より全国公開
東宝、アスミック・エース
公式サイト
© 2021「燃えよ剣」製作委員会
TEXT by Myson