全世界類型6500万本を超えるカプコンの大ヒットゲーム“モンスターハンター”を映画化した本作で、“バイオハザード”シリーズで成功を収めた、主演のミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督夫妻を始めとする製作陣が再集結。至るところでゲームへの敬意が払われているようですが、公式資料によると、まず超巨大モンスターはゲームに登場するモンスターをVFXで再現。また、ゲームの世界観を損なわないように、CGではなく本物の大自然でロケを行ったそうです。本作の脚本兼監督のポール・W・S・アンダーソンは、2008年からモンスターハンターのゲームをするようになり、2009年にはもうカプコンに映画化を持ちかけていたというから、並々ならぬ思いと気合いが伝わってきますね。
では、ゲームをやったことがない人が観るとどうなのかというと、何も知らないなら知らないで、倒しても倒しても出てくるモンスター達に素直に驚きながら観ることができます。どのモンスターが最強なのかも知らずに観る分、先が読めないので新鮮ですよ。そして、本作にはトニー・ジャーが出演しているので、せっかくなら接近戦が観たいと思う人もいると思いますが、そんな期待も裏切りません。むしろ、「なぜそこの2人そんなに戦うの!早く手を組みなさい!」とツッコミを入れたくなるくらい、見せ場がちゃんと作られています(笑)。ミラ・ジョヴォヴィッチの最強ヒロインぶりも健在で、超巨大モンスターを相手に勇ましく戦う姿を存分に見せてくれます。こういうアクション映画だとついつい俳優さんの筋肉に目がいくのですが、静かなシーンで観るミラ・ジョヴォヴィッチの腕には綺麗に筋肉がついていて、さすが〜という感じです(笑)。さらに、ロン・パールマンが超美味しい感じで登場。相変わらず存在感がスゴくて、主役をくっちゃうくらいのインパクトです。ストーリーはスピーディーに展開し、観終わってスカッとしますが、続きを予感させるエンディングで、こんなに激しい戦いだったのに序章に過ぎないのかもしれないと思うと、ぜひシリーズ化して欲しいと期待が高まります。
ストーリーに難しいことは一切なく、壮大なスケールと迫力のあるアクションなので、老若男女楽しめる作品です。恋愛的な要素もないので、気まずくなるようなこともなく、初デートや友達以上恋人未満の2人が観ても問題ありません。距離を近づけたい人や、お家デートをする仲に発展したい人は、本作を機に「家で一緒にゲームをしよう!」と、次のデートを約束してみるのもアリではないでしょうか。でも、誘う時はあざとくならないように要注意です(苦笑)。
幼児にはまだ怖いと思いますが、小学生3年生くらいから上の年齢なら大好きなジャンルではないでしょうか。人間が次々とモンスターに襲われるシーンは刺激が強い部分もありますが、モンスターがすごくリアルに再現されていて大暴れするので迫力満点で、興味深く観られると思います。ティーンの皆さんの中にはゲームファンもいるかもしれませんね。いずれにしても、ティーンの皆さんにも人気のあるジャンルだと思うので、このスケールをぜひ大スクリーンで味わって欲しいです。
『モンスターハンター』
2021年3月26日より全国公開
東宝、東和ピクチャーズ
公式サイト
© Constantin Film Verleih GmbH
TEXT by Myson