REVIEW

成れの果て【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『成れの果て』萩原みのり

絶対に許せない罪を犯した人物が姉と結婚しようとしているという設定だけ聞くと、いろいろな疑問が湧きますが、最後に全部が繋がって、主人公の周囲にいるキャラクター達がいかに狂っているかがわかります。同時にそういう人間のほうがフツーの顔をして暮らしている社会に私達は生きているのかもしれないということを実感させられます。
単純に主人公とその相手の過去の問題ではなくて、そこに周囲の人物の嫉みや欲望が見事に重なっていき、キャラクター達が負の連鎖で繋がっている展開も印象に残ります。根本は皆幸せになりたいだけなのに、こうなってしまう…。冒頭では不幸なのは主人公だけという構図に見えますが、結局皆が幸せになりきれないというところに皮肉が込められていて、主人公の復讐の物語というよりは、観客の視点で俯瞰することで間接的に主人公を苦しめた人物への復讐が成立しているようにも解釈できる点である意味スカッとする部分もあるかもしれません。
このストーリーはどうやって終わるんだろうと予想がつかない展開にどんどんなっていきますが、結末にゾワゾワっとします。この何とも言えない感覚を味わってみてください。

デート向き映画判定
映画『成れの果て』萩原みのり/木口健太

デリケートなテーマを扱っていて、デートでは不向きな内容だと思います。1人でじっくり観るのも良いかもしれませんが、どんよりした後にカラッと気分転換をしたい方は、友達と一緒に観るほうが良いでしょう。でも、友達も見極めたほうが良いなと思うシーンもいくつか出てくるので、信用のおける相手を誘いましょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『成れの果て』萩原みのり

無神経で無慈悲な人間が複数出てくるので、反面教師として観られる部分もあるし、こういう人物とは付き合わないほうが良いというサンプルとして観るのも良いでしょう。主人公が過去に経験した事件はとても辛いもので、日常で皆さんも注意しなければいけない事柄ともいえます。ただ内容的にはせめて中学生以上になってから観るほうが良いと思います。

映画『成れの果て』萩原みのり

『成れの果て』
2021年12月3日より全国順次公開
SDP
公式サイト

© 2021 M×2 films

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『コール・ミー・ダンサー』マニーシュ・チャウハンさんインタビュー 『コール・ミー・ダンサー』マニーシュ・チャウハンさんインタビュー

今回は『コール・ミー・ダンサー』に出演されているバレエダンサーのマニーシュ・チャウハンさんにお話を伺いました。とても和やかな雰囲気の方で、写真撮影ではダンスのポーズも披露してくださいました!

映画『正体』横浜流星/吉岡里帆/森本慎太郎(SixTONES)/山田杏奈/山田孝之 正体【レビュー】

染井為人による同名小説を原作とした本作は、一家が惨殺された現場で逮捕され、死刑判決を受けた青年が…

映画『マイ・インターン』アン・ハサウェイ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外40代編】総合

今回は、海外40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集部の独断で80名選抜し、正式部員の皆さんに投票していただきました。今回はどんな結果になったのでしょうか?

映画『ザ・バイクライダーズ』オースティン・バトラー ザ・バイクライダーズ【レビュー】

“バイクライダー=バイク乗り”とは、どんな人物をいうのでしょうか…

Netflix映画『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』マイケル・ジョーダン 心が弾む!バスケットボール映画特集

バスケットボール人気が出てきているのを感じる昨今。…今回は、バスケットボールにちなんだ作品をズラリとご紹介します。

映画『リュミエール!リュミエール!』 リュミエール!リュミエール!【レビュー】

映画の始まりが述べられる際、トーマス・エジソンと、リュミエール兄弟(ルイとオーギュスト)の名前がよく挙がります…

映画『デューン 砂の惑星PART2』ゼンデイヤ ゼンデイヤ【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月1日生まれ。アメリカ出身。

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マチュー・アマルリック チネチッタで会いましょう【レビュー】

タイトルに入っている“チネチッタ”とは…

Netflixドラマ『さよならのつづき』有村架純/坂口健太郎 ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き22】2024年11月後半「気になる映画とオススメ映画」

今回は、2024年11月後半に劇場公開される邦画、洋画、Netflixの最新ドラマについてしゃべっています。

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ Back to Black エイミーのすべて【レビュー】

類稀な才能を持つ歌姫エイミー・ワインハウスは、2011年7月、27歳の若さで逝去…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『マイ・インターン』アン・ハサウェイ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外40代編】総合

今回は、海外40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集部の独断で80名選抜し、正式部員の皆さんに投票していただきました。今回はどんな結果になったのでしょうか?

映画『淪落の人』アンソニー・ウォン/クリセル・コンサンジ 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.2

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』ムロツヨシ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内40代編】個性部門

個性豊かな俳優が揃うなか、今回はどの俳優が上位にランクインしたのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『正体』横浜流星/吉岡里帆/森本慎太郎(SixTONES)/山田杏奈/山田孝之
  2. 映画『ザ・バイクライダーズ』オースティン・バトラー
  3. 映画『リュミエール!リュミエール!』
  4. 映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マチュー・アマルリック
  5. 映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ

PRESENT

  1. 映画『バグダッド・カフェ 4Kレストア』マリアンネ・ゼーゲブレヒト/CCH・パウンダー
  2. 映画『型破りな教室』エウヘニオ・デルベス
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP