例のごとく前情報を入れずに観たので原作のことは知らずに観ましたが、どこか洋画っぽいなと思ったら、やはり原作が外国の作品でした。原作は1956年にアメリカで発表されて以来、世界中で愛されている「夏への扉」(著:ロバート・A・ハインライン)。公式サイトや本作のキャッチコピーを既に見ちゃった方はこの映画がどんな設定かおわかりだと思いますが、私はそれも知らずに観たので、驚きが倍だったように感じます。なので、極力何も知らずに観ることをオススメします(本作に限らず、基本的に映画はすべて極力何も知らずに観たほうが楽しめると思っています)。
山﨑賢人が演じる科学者の高倉宗一郎と、彼と家族のような関係で育った璃子(清原果耶)がどんどん窮地に立たされていくので、「どうなっちゃうの!」とドギマギさせられるのですが、途中で「あれは誰?」「何が起きたの?」という展開があり、後半は「なるほど〜!」という流れに変わっていきます。そして、ストーリーに程よい複雑さがあるからこそそれを読み解くおもしろさ、解明されていく爽快感もあります。また、山﨑賢人、清原果耶が演技力を発揮しているのはもちろん、藤木直人がすごく良い味を出しています。役にすごくハマっているので、ぜひその点にもご注目ください。
物語の構成そのものがおもしろいというのは手堅いところですが、その中で描かれるラブストーリーも美しく描かれていて、さすが三木孝浩監督だなと思います。いろいろなジャンルが複合した作品なので、広い層に楽しんで頂ける作品です。
とても清々しく、キュンとする場面も多いラブストーリーで、初デートや付き合いたてのカップルにもオススメです。友達以上恋人未満の2人は、一層共感できる部分が多いと思うので、本作を観て勇気が出たら、相手に告白してみても良さそうです。とてもロマンチックなストーリーでありながら、ラブストーリー以外の要素もすごく見応えがあるので、どんな人も誘いやすいと思います。
キッズやティーンの皆さんの間でも人気の山﨑賢人、清原果耶が共演していて、ストーリーも謎解きのようなおもしろさがあるので、若い皆さんが好む作品だと思います。小学校低学年以下だとカラクリを理解するのがちょっと難しいかもしれませんが、小学校中学年以上なら、誰かを誘って観て、鑑賞後に解釈を話し合うとそれも楽しいし、理解も深まるのではないでしょうか。
『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』
2021年6月25日より全国公開
東宝、アニプレックス
公式サイト
©2021 「夏への扉」製作委員会
TEXT by Myson