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熱烈【レビュー】

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映画『熱烈』ワン・イーボー

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『熱烈』というタイトルがついているので、熱いストーリーだと予測はするものの、ブレイキンをテーマにしているということで「イエイ、イエイ、ヨーヨーヨー」的なノリ(伝わりますでしょうか?・笑)だと思いますよね。もちろん、そういうノリはありつつも、まさか泣く映画だと思いませんよね。でも、私はとあるシーンで涙が出てきて、予想に反してかなり感情移入しながら観ました。

映画『熱烈』ワン・イーボー

ブレイキンの高度な技が繰り広げられるシーンは観ていて楽しく、爽快な点は期待通り。主人公の陳爍を演じたワン・イーボーは、「13歳の時にヒップホップダンス大会で入賞したことをきっかけに芸能界入り」(映画公式資料)したとあって、本領を発揮しています。私は俳優のワン・イーボーしか観たことがなく、『無名』で知ったので、イメージのギャップに萌えました(笑)。高度な技はスタントマンがキメているほか、劇中で登場するチームのダンサーはすべて本物のダンサー達とあって、見応え抜群のダンスシーンがてんこ盛りです。そうそう、チームの監督ディンレイ(ホアン・ボー)も“意外な活躍”を見せるので驚きました。ダンス映画としての説得力がちゃんと示される点も本作の魅力でしょう。

映画『熱烈』

同時に、陳爍のひたむきさを描くシーンがエモ過ぎます!頑張っても頑張っても報われない陳爍が、それでも負けずに食い下がるところ、どんなに周囲にぞんざいに扱われても、自分は周囲に誠実で優しさを忘れない陳爍の姿が目に焼き付きます。そんな姿を観ているとウルウルせずにはいられません。陳爍がどんな結末を迎えるかは想像がつくところもありながら、意外に紆余曲折する展開もあるからこそ、感情が揺さぶられます。

映画『熱烈』ワン・イーボー/ホアン・ボー

また、笑えるシーンも豊富にある点が魅力です。個人的には家電メーカーのお兄ちゃんのクセの強さがいちいちツボにハマっていました(笑)。そして、クライマックスの一番の見どころも感動と共に笑いを誘います。最終兵器にどんな技を使うのか誰もがいろいろな想像をすると思いますが、絶対にこれは誰も予想できないはず。これを考えたのはダー・ポン監督なのか、コリオグラファーなのかは不明ですが、あまりの発想の大胆さとユーモアに「天才!」と思い爆笑しました。一粒で何度も美味しい作品となっています。本作を観て、元気とやる気をチャージしてください。

デート向き映画判定

映画『熱烈』ワン・イーボー/ホアン・ボー

ロマンチックなムードになるようなタイプの作品ではないものの、良い雰囲気のシーンも出てくるので、デートで観るにはちょうど良い塩梅です。笑えたり、ジーンと来たり、いろいろな感情が湧いてくるので、観終わった後は自然に感想を話したくなるでしょう。初デートでも安心して観られますよ。友達以上恋人未満の2人も等身大で観られる点があると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『熱烈』ワン・イーボー

やりたいことや既に打ち込んでいることがある方は特に感情移入しやすいと思います。上を目指せば目指すほど、悔しいこともたくさんあるし、成就するまで時間がかかったり、乗り越えなければいけない壁は出てきます。そんな状況でも決して諦めない陳爍の姿を観ると、きっと励まされると思います。ダンスをしている方に限らず、どんな方にも通じるものがあるので、ぜひ観てみてください。

映画『熱烈』ワン・イーボー/ホアン・ボー

『熱烈』
2024年9月6日より全国公開
彩プロ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©Hangzhou Ruyi Film Co., Ltd.

TEXT by Myson

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