本作は、リック・リメンダーとグレッグ・トッキーニのグラフィックノベルを原作に、『トランスポーター3 アンリミテッド』や『96時間/リベンジ』などを手掛けたオリヴィエ・メガトン監督が映画化。舞台は、脳内のシナプスに影響を与えて違法行為を強制的に止めるAPI(米国平和計画)の実行が差し迫るアメリカ。銀行強盗で稼いできたブリックスは、仲間に裏切られ、命を狙われていたところ、API実行間際を狙った大きな計画に誘われます。話の流れから、この計画をやり遂げる話なのかなと予測しましたが、それだけでは終わらないのが本作の魅力。この案件に関わる人物それぞれが何かしら個人的な目的と秘密を持っています。それが徐々に明らかにされながら、この犯行がやり遂げられるかどうかを見守ることになりますが、後半はアクションも激しくなり、二転三転した展開が楽しめます。2時間半弱という長さで、もうちょっとコンパクトだったらより観やすいなと思いましたが、クライマックスに隠し球が集中して仕掛けられているので、良しとしましょう(笑)。マイケル・ピットを久々に観たのですが、彼ももう39歳なんですね。でもやっぱり彼独特の雰囲気があって、ハマり役でした。クライム・アクションにSF要素も入っている本作は、男性が好きそうなジャンルですが、主演はエドガー・ラミレス、脇役にシャールト・コプリーと個性派俳優が揃っているので、映画好き女子にもオススメです。
意外にラブロマンスも多めでラブシーンがあるので、付き合いたてのカップルはちょっと気まずくなる可能性があります。主人公は男性ですが、女性キャラクターがストーリーの重要な鍵を握っていて活躍するので、男女ともに楽しめます。タイトルからしてわかる通り、犯罪をテーマにした作品なので、痛々しいシーンもあり、それだけ許容範囲かどうかお互いに配慮して観てください。
グラフィックノベルが原作なので、こういう世界観が好きなティーンはいそうだなと思います。ただ、結構渋めの作品なので大人向きです。キッズにはちょっとバイオレンスシーンが刺激的だと思うので、中学生くらいになって、興味が湧いたら観てみてください。
『ラストデイズ・オブ・アメリカン・クライム』
2020年6月5日よりNetflixにて配信開始
公式サイト
TEXT by Myson