REVIEW
58分という尺の中にドラマが詰まっていて、すごく濃厚なストーリーです。観ていると、自分の旧友との思い出や、夢を追いかけてきた日々とも重なり、いろいろな感情がこみ上げてきました。もっと早く観ておけば良かったと思いつつ、遅ればせながらでも今観て本当に良かったと感じます。
主人公は、学年新聞で4コマ漫画を連載する小学校4年生の藤野。藤野の4コマ漫画は同じクラスの児童達から好評を得ていて、藤野も自信たっぷりな様子です。そんなある日、先生からあるお願いをされ、藤野ともう1人の少女、京本の物語が交錯していきます。
本作には子どもの頃の無邪気さとともに繊細さも描かれていて、切なくなると同時にホッコリさせられる要素が多々あります。そして、2人の少女の運命が交錯しつつ、成長するにつれて出てくる選択と決断の局面がドラマチックに描かれている点でも引き込まれます。
なるべく先入観を入れずに観ていただきたいので、具体的なことは書かずにおくとして、タイトルにある通り、過去を振り返る物語という点で、大人にこそ刺さる部分が多いと思います。自分の存在意義、自分の夢、大切な人の夢、ずっと子どもではいられない現実、出会いと別れ、さまざまなことを振り返り、最後に原点に立ち戻り、再び踏ん張って、前に進もうとする勇気と意欲をくれます。
自分が打ち込んできたことに対して意義を見失ったり、自信をなくしたりした時に何度でも観たい作品です。
デート向き映画判定
今まで大切にしてきたものに改めて気づかせてくれる内容なので、本作を観ると、自分の過去について話したくなると思います。もっとお互いのことを知りたいと思っているなら、一緒に観ると、思い出話をするきっかけになるでしょう。そして、もしパートナーが何かに打ち込んでいたけれど今立ち止まってしまっていたら、本作が良い刺激になるかもしれません。
キッズ&ティーン向き映画判定
皆さんと同じ世代の主人公のストーリーなので、等身大で観られるでしょう。藤野と京本というキャラクターのどちらにも、それぞれ共感できるところがあると思います。自分が自信を持つ得意分野のはずが、不意に挫折を味わうこともあれば、ひょんなことから希望が見えてくることもあったり、人生にはどんなことが起こるかわかりません。だから後悔することがあるかもしれないけれど、違った視点で人生を眺めれば、光も見えてくる、そんなシミュレーションをする機会にもなると思います。
『ルックバック』
2024年6月28日より劇場公開
2024年11月8日よりAmazon Prime Videoにて配信中
公式サイト
Amazonプライムビデオで観る
© 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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