序盤はランボーが丸くなったように見えて、「あれ?どうしたランボー?」となるのですが、そのまま終わるわけがない(笑)!ランボーが本当の娘のように可愛がっているガブリエラ(養子縁組をした娘)が、ある日メキシコの人身売買カルテルに拉致され、後半はランボーが怒りを全開にして戦います。ガブリエラが拉致されるまでの過程や拉致されてからの扱いが本当に酷く、それだけ観ていても心苦しくて、「ランボー、彼女を助けて!早く、早く!」と思いながら観ることになるのですが、こんなことをされたらランボーがあんなに怒り狂うのも当然だと思える描写が続きます。なのでそういった意味で敢えて残酷な描写にしているのだと思いますが、クライマックスのランボーの暴れっぷりといい、かなりハードな内容になっています。また、ランボーの自宅の地下壕を使った戦闘は、ランボー版“ホーム・アローン”のようでトラップだらけ。それにしても、「こんなところでそんなことしたら、国から怒られるで」と言わんばかりの迫力満点の破壊行為が爽快です。エンドロールでは、これまでの“ランボー”シリーズを振り返るシーンがたくさん出てくるので、最後まで席を立たずにランボーの勇姿を見届けてください。
めちゃめちゃ痛そうなシーンがこちらの心構えを待たずして出てくるので、ある程度激しいアクション映画を観慣れている人を誘うほうが無難です。また、少女が人身売買カルテルに囚われ痛めつけられるという展開があるので、デートで積極的に観ようという内容では正直ありません。ただ、ムーディーにはなれない一方で、吊り橋効果は多少あると思います。
グサッ、バキッ、ドカンと一瞬にして敵を抹殺してしまうランボーの戦いぶりはとてもカッコ良いのですが、映画をまだ観慣れていない世代にはよりショッキングに感じられるシーンがあります。R-15ということもあり15歳未満の人はそもそも観られませんが、15歳以上の人も“ランボー”シリーズを初めて観る人は、誰かを誘って観るほうが観終わった後のある種の興奮を消化できると思います。
『ランボー ラスト・ブラッド』
2020年6月26日より全国公開
R-15+
ギャガ
公式サイト
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TEXT by Myson