かつて聖なる龍達に守られていた“龍の国”クマンドラは、ドルーンと呼ばれる魔物に襲われ、最後の龍が残した“龍の石”によって救われますが、分断されてしまいます。本作は、龍の石を巡る騒動で父を失ったラーヤが、父を生き返らせ、クマンドラを蘇らせるための旅を描いたアドベンチャーです。ラーヤはある人物に裏切られたことで父と国を失ったため、たった1人で旅をしていて、もう誰も信じないと決めています。でも本作の魅力は、ラーヤを孤高のヒロインとして完結させていない点にあり、ラーヤが出会う人々とどんな関係を築いていくかということを通して、信じることの難しさと大切さを描いています。なので、観る前の印象と観終えた時の印象の違いが楽しめるのはもちろん、アクションシーンが多く、クールな要素を保ちながら、周囲には可愛いキャラクターが多く登場し、メリハリが利いています。またラーヤを始めとするそれぞれのキャラクターには意外性がある点も見どころ。例えば、最後の龍シスーはとても親近感のあるキャラクターとなっていますが、その声をオークワフィナ(日本語吹き替え版は高乃麗)が演じていると聞けば、ユーモアいっぱいのキャラクターになっているとイメージできるでしょう。他にもノイ、ブーン、トゥクトゥク、オンギ達といったキャラクターがすごく可愛くて癒されます。美味しそうな料理も出てきたり、アジアンテイストの世界観も味わえる作品となっています。最後はウルウルさせられちゃうので、ハンカチを手に観てください。
アクションシーンも豊富であると同時に、可愛いキャラクターに癒されるシーンも多く、老若男女が楽しめる作品となっているので、デートで観るのもアリでしょう。すごくざっくりいうと、性善説、性悪説がテーマとなっていて、鑑賞後に感想を述べあうと、お互いの価値観や人間関係を構築する上でのスタンスが垣間見えると思います。ただそれが食い違っているからといって相性が悪いと決めつけず、カップルとしてのバランスとして考えてみるきっかけにすると良いのではないでしょうか。
ラーヤの他にも腕の立つキャラクターが登場し、カッコ良いシーンが豊富にあるので、ワクワクしながら観られると思います。ラーヤのお供のトゥクトゥクもすごく可愛くて頼もしくて、自分にもあんな仲間がいれば良いのにと思うはず。すごく個性的で可愛いキッズキャラも複数登場するので、お気に入りのキャラクターが見つかるでしょう。皆さんが身近に感じるテーマが描かれているので、観れば人との付き合い方が変わるきっかけになるかもしれません。
『ラーヤと龍の王国』
2021年3月5日より映画館 and ディズニープラス プレミア アクセス同時公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
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TEXT by Myson