本作の主人公は、ロボット修理の天才的な技術を持つ16歳の倫太郎。ある日、倫太郎はAIBO(1990年代から愛されているエンタテインメントロボット)の修理依頼を受け、そのことをきっかけに自分の過去と向き合っていくこととなります。孤児として育った倫太郎は高校を中退して働いていますが、ロボット修理だけでなく、清掃業やホテルでの皿洗いなど、いくつも仕事を掛け持っていて大忙し。周囲の大人が頼るほど仕事ができる彼の姿にはたのもしさを感じますが、どこか寂しげな少年っぽさも残っていて、大人と少年のちょうど合間にいる様子が上手く表現されているのが良かったです。
そして物語としての見どころは、だんだんと明かされていく倫太郎の過去の部分。前半で気になっていた部分が後半で一気に回収されていく展開にスッキリしますし、さらに「なるほど!」と思う驚きがあります。本作においてAIBOが重要な役割を果たしているのも注目ポイントで、AIBOが流行った当時を知っている人なら懐かしさも感じると思います。AIBOを知らない世代でも倫太郎と周囲の人々との関わり合いに共感できますし、老若男女楽しめる作品です。
ムードを盛り上げる要素はありませんが、倫太郎を中心とした人間ドラマを楽しめる作品なので、デートでも問題なく観られます。倫太郎が過去と向き合っていく様子を観て、観賞後はお互いの幼少期や青春時代の話をしてみるのも良いと思います。また、舞台となっている榛名湖(群馬県)の素晴らしい大自然も観られるので、次のデートでは自然と触れ合える場所に誘うのもオススメです。
主人公がティーンなので、皆さんの場合はより共感できる部分が多い作品だと思います。伏線も散りばめられているので、倫太郎の体験や周囲の人々をよく観察しながら観て、気になったところはぜひ覚えておいてくださいね。もし倫太郎がロボットを修理する様子に興味を持ったら、ロボットについて勉強してみるのも良いと思います。
『ロボット修理人のAi(愛)』
2021年7月10日より全国順次公開
トラヴィス
公式サイト
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TEXT by Shamy