REVIEW
まず、「クリント・イーストウッドとサタジット・レイが出会う南インドで、森と巨象のウエスタンの幕が上がる」というキャッチコピーが気になり過ぎます(笑)。要素が大渋滞しているので「どういうこと??」となり、これは観ないわけにはいきませんよね。本作は、カールティク・スッバラージ監督によるギャングスター・ミュージカル『ジガルタンダ』(2014)の2作目にあたります。とはいえ、映画公式サイトにもあるように、前作と本作はストーリーとしての繋がりは薄いため、本作から観ても全然問題ありません。私も本作から観ました。
毎度のことながら私は鑑賞前に情報を入れないので、設定も不明なまま鑑賞し始めて、「お前が芸術(シネマ)を選ぶのではない、芸術(シネマ)がお前を選ぶのだ」というもう一つのキャッチコピーにもキョトンとしていたわけです(笑)。でも、そのほうがどうやって映画の話に繋がるのか全く予想がつかない展開を倍楽しめます。そして、キルバイを演じたS・J・スーリヤーがすごく良い味を出していて、映画の話に繋がる節目となるシーンで何度も爆笑しました。
というわけで、良い意味で「なんなんだ、この映画は!」と掘り出し物を見つけた感覚で観始めて、その後も独創的なストーリーに魅了されます。でも、前半はコミカルに展開しつつ、後半はシリアスなトーンに変わっていきます。気になるキャッチコピーにあった“森と巨象のウエスタン”という部分も見事に繋がっていきますよ。
そして、そもそも映画がテーマの1つになっている点から伝わってくるように、本作には映画愛が詰まっています。映画ファンからするとニヤニヤしてしまうシーンも出てきますよ。さらにクライマックスでは、映画の力を信じている人達が熱い思いで作ったのだなとしみじみ感じるメッセージが込められています。クリント・イーストウッドが出てくるのかどうかも含めて楽しみにご覧ください。
デート向き映画判定
ギャングと警察の話なので、露骨に映してはいないものの、刺激の強い描写もあるので、初デートには不向きかなと思います。ある程度お互いの好みがわかってきたら、一緒に観るのも良いでしょう。ツッコミどころが満載でありつつ、後半はシリアスな展開で見応えがあるので、鑑賞後の会話も弾みそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定
上映時間は172分と長いものの、テンポ良くストーリーが進んでいくので、比較的観やすいと思います。とはいえ、複数出てくる組織がどういう関係にあるのかは話が見えるまで少しややこしいので、映画鑑賞における集中力と理解力がある程度身に付いてから観るほうが良いでしょう。
『ジガルタンダ・ダブルX』
2024年9月13日より全国公開
PG-12
SPACEBOX
公式サイト
©Stone Bench Films ©Five Star Creations ©Invenio Origin
TEXT by Myson
本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。