本作は、殺人、自殺、火災による死亡事故等があった事故物件に住み続ける芸人、松原タニシ氏の実体験によるベストセラーノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」を映画化した作品です。実話を基にしている点、私達のすぐ身近にあるかも知れない出来事が描かれている点で、それだけで恐い要素が十分あるとわかりますが、どんなところを恐いと感じるかという点で、ホラーに慣れている人とそうでない人で、いろいろな見どころがあります。その物件でどんな出来事があったかというストーリー、部屋に残された生々しい痕跡、キャラクター達に襲いかかる不幸の数々…と、ゾッとさせられるポイントが満載でありつつ、部屋そのものがキャラクターの1つとなっていて、言葉を発しない存在だけに不気味さが増しています。ホラーを観慣れている人とそうでない人では、恐さの度合いに差が出るかも知れませんが、恐い物見たさ、好奇心は満たしてくれるはずです。
吊り橋効果が抜群なので、お化け屋敷に入る気分で観ると、距離がグッと縮まると思います。ドキッとするシーンもお約束で出てくるので、自然に寄り添うきっかけにもなるし、ビックリしちゃって逆に笑っちゃうという反応で場が和むことも期待できるでしょう。事故物件の話はお互い持ち合わせていないと思いますが、一人暮らしの人は部屋探しをした時のエピソードなど、話のネタにもなりそうです。
怪奇現象かどうだかわからない現象に遭遇することは日常でもあるはずなので、免疫がついていない幼いうちに観てしまうと、夜トイレに行けなくなったりするので要注意です。小学校高学年くらいになるとこういうお話に興味津々の人もいると思いますが、トライしてみたいなら友達や家族と複数で観ると、盛り上がると思います。高校卒業間近のティーンで地元を離れる人は、お部屋探しの参考になる部分も少しあるので、役に立つ情報は記憶しておくと良いでしょう。
『事故物件 恐い間取り』
2020年8月28日より全国公開
松竹
公式サイト
© 2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会
TEXT by Myson