シリーズを通して、激しいアクションが魅力ですが、文字通り、ひたすら戦っているという印象で、観ているこちらも戦っているような感覚になり、観終わった後にやりきった感が味わえます。あまりに殺しまくるので、痛々しいシーンは多数あるものの、1つ1つ引きずっている暇がなく、ある意味観やすいと思います。アクションのバリエーションも豊富で、「これはどうだ!」「次はこんなのはどうだ!」と、アクションシーンのフルコースを堪能できて、中でもナイフを使ったシーンは本当に見事です。見せ場となる数々のアクションシーンはそれなりに尺も長いですが、特にこのナイフの戦闘シーンは至近距離で何人もの相手といろいろなナイフを持ち替えては戦い、その俊敏で計算された動きに見入ってしまいます。もう1点印象的だったのは、ハル・ベリーが演じるソフィアと犬がジョン・ウィックと共に戦うシーン。ソフィアの圧倒的強さはもちろん、犬とのコンビネーションも観ていて爽快です。
悪の世界こそ、そこで生きる人はルールに従順である点を象徴するストーリーが興味深い本作。日本のヤクザの風習を彷彿とさせるシーンや、日本人キャラクターも出てきたり、日本とのゆかりを感じられるのも嬉しいところ。シリーズ3作目となり、一旦物語に区切りが付きそうな感じもありつつ、まだまだ物語が続きそうだし、ぜひ続きを観たいと思わせられる内容です。
スピーディーで爽快ではありますが、本当にアクションが激しくて、痛々しいシーンも結構出てくるので、相手の好みや許容範囲を確かめてから誘うほうが良さそうです。ロマンチックなムードになるようなタイプの映画ではなく、ひたすら殺し屋同士が戦っているので、変な気まずさは逆にありません(笑)。日本人キャラクターは、日本人からすると可笑しいので、観た後に少し会話のネタにできそうです。
R-15指定で、15歳以上の人が観られる映画ということで、15歳になったらいろいろ観るぞと張り切っている皆さんに、オススメしたいアクション映画です。131分と長めではありますが、息もつかせぬスピードで進んでいくし、アクションも凝っていて、観ていて飽きません。ジョン・ウィックのキャラクターも最高ですが、他にもおもしろいキャラクターがたくさん登場し、カッコイイキャラクターも満載。女子キャラも活躍するので、男女共に楽しめます。
『ジョン・ウィック:パラベラム』
2019年10月4日より全国公開
R-15+
ポニーキャニオン
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TEXT by Myson