REVIEW

助産師たちの夜が明ける【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『助産師たちの夜が明ける』エロイーズ・ジャンジョー

REVIEW

新人助産師のルイーズ(エロイーズ・ジャンジョー)とソフィア(カディジャ・クヤテ)を主人公に、フランスの産科病棟の日常を描いた作品です。日本では助産師の数がかなり減っていて、助産師の介助で行われる出産が減ってきている現状をご存知の方は、本作で映し出される出産の現場を観ると、お国柄の違いを感じると思います。本作を観ると、フランスでは、異常がない場合はほとんど助産師が担当し、医師は必要な時のみ対応しているとわかります。

映画『助産師たちの夜が明ける』

出産は命懸けといわれるなか、本作にはまさにその実態が描かれています。出産者の数に対して助産師の数が足りておらず、助産師は過労で疲弊しています。それでも陣痛が始まった妊婦を追い返すわけにはいかず、切迫した状況で対応しています。そんななか、生まれてきた子どもに異常があると、助産師は重責を背負います。そうした状況で自信をなくしたり、役に立ちたい気持ちと葛藤する助産師達の姿が映し出されています。出産は無事できても、別の問題を抱えた妊婦もいます。だから、助産師達は出産を助けたら終わりではない現実を私達も目の当たりにします。

映画『助産師たちの夜が明ける』エロイーズ・ジャンジョー

本作が映し出しているのは、助産師達の淡々とした日常に見えて、実際で考えるとかなり大きな出来事が起こっています。もしも自分が彼女達の立場だったらと想像すると、あれほど重いプレッシャーに耐えられそうにありません。本作では助産師達のやり甲斐と共に、過労が強いられる現場で失われつつある大切なことについて問題提起をしています。こんなジレンマがあれば、精神的にも耐えられなくなるのは納得です。本作では助産師達の現場で起きている問題として描かれていますが、職業を問わず共通する問題ともいえます。本作は日本でも無縁ではない内容です。

デート向き映画判定

映画『助産師たちの夜が明ける』

デートのムードに合う内容とはいえないものの、これから一緒に家庭を築こうとしているカップルは、出産の過酷さを共有できるので、一緒に観るのも有意義だと思います。フランスと日本では事情が異なるものの、将来子どもを持とうと考えているカップルはこれを機に事前に調べてみるのも良いでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『助産師たちの夜が明ける』

赤ちゃんが産まれる前、その瞬間、その後と、お母さんがどんなに大変な状況で出産を乗り越えるのかを知ることができます。家庭や学校でどうやって子どもが産まれるのかを教えてもらったら、本作も観てみると、いろいろ考えさせられる部分があるかもしれません。

映画『助産師たちの夜が明ける』エロイーズ・ジャンジョー/カディジャ・クヤテ/ミリエム・アケディウ

『助産師たちの夜が明ける』
2024年8月16日より全国順次公開
パンドラ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『新凱旋門物語』クレス・バング 新凱旋門物語【レビュー】

“新凱旋門”という通称をもつ“グランダルシュ”は、ルーヴル美術館のガラスでできたピラミットからシャンゼリゼ、凱旋門までを直線で繋ぐラインの先に位置するキューブ型の巨大なモニュメントです…

映画『デッドマンズ・ワイヤー』ビル・スカルスガルド デッドマンズ・ワイヤー【レビュー】

ガス・ヴァン・サント監督が映画化した本作は、1977年2月に、アメリカのインディアナポリスで実際に起きた、前代未聞の人質事件に基づいています…

映画『未来』山﨑七海 山﨑七海【ギャラリー/出演作一覧】

2008年6月27日生まれ。東京都出身。

映画『キングダム 魂の決戦』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/志尊淳/神尾楓珠/山田裕貴/坂口憲二/豊川悦司/斎藤工/玉木宏/佐藤浩市/小栗旬 キングダム 魂の決戦【レビュー】

本作でシリーズ5作目となりますが、勢いは止まりません…

映画『急に具合が悪くなる。』ヴィルジニー・エフィラ/岡本多緒 岡本多緒【ギャラリー/出演作一覧】

1985年5月22日生まれ。千葉県出身。

映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン 映画に隠された恋愛哲学とヒント集81:恋愛は長く続けば幸せなのか

今回は、『オブセッション 災愛』と『サヨナラの引力』を例に、恋愛関係は長く続いたほうが幸せなのかを考えます。

映画『チルド』染谷将太 チルド【レビュー】

私達の生活に溶け込んでいるコンビニエンスストアは、角度を変えると、“特別な場所”なのかもしれません。その意味が本作を観ると…

映画『ヌーヴェルヴァーグ』ギヨーム・マルベック/ゾーイ・ドゥイッチ ヌーヴェルヴァーグ【レビュー】

“ヌーヴェルヴァーグ”(日本語に訳すと「新しい波」)とは、「1950年代後半のフランスで台頭した新世代の監督たちが、既存のルールに縛られず…

映画『オブセッション 災愛』マイケル・ジョンストン/インディ・ナヴァレッテ オブセッション 災愛【レビュー】

これはやばい(笑)。いろいろな意味で怖過ぎて、笑っちゃうおもしろさです。監督を務めたのは、1999年生まれの若き新鋭カリー・バーカー…

映画『リライト』篠原篤 篠原篤【ギャラリー/出演作一覧】

1983年2月1日生まれ。福岡県出身。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょうか…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  2. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  3. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以

REVIEW

  1. 映画『新凱旋門物語』クレス・バング
  2. 映画『デッドマンズ・ワイヤー』ビル・スカルスガルド
  3. 映画『キングダム 魂の決戦』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/志尊淳/神尾楓珠/山田裕貴/坂口憲二/豊川悦司/斎藤工/玉木宏/佐藤浩市/小栗旬
  4. 映画『チルド』染谷将太
  5. 映画『ヌーヴェルヴァーグ』ギヨーム・マルベック/ゾーイ・ドゥイッチ

PRESENT

  1. 映画『トイ・ストーリー5』Tシャツ
  2. 映画『だぁれかさんとアソぼ?』鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)
  3. 映画『白パンと独裁者』ジャスパー・ビラーベック
PAGE TOP