REVIEW
柚木麻子の「早稲女、女、男」を映画化した本作は、主人公の早乙女カナコ(橋本愛)が大学に入学し、演劇サークルに所属する長津田(中川大志)と出会ってからの10年間を描いています。原作の設定とは異なり、本作では早稲田大学ではない大学名に変えられているものの、高田馬場にある老舗の映画館、早稲田松竹が出てきたり、高田馬場周辺で撮られたシーンがあるほか、長津田のバンカラなキャラクター設定など、早稲田大学らしいムードが感じられます。

2人の出会いはすごくロマンチックで、最初はキラキラした日々が描かれるものの、将来を考える場面で突如ムードが変わります。2人の関係は、他のキャラクターを交えてこじれにこじれていきます。カナコと長津田の関係だけでなく、他のキャラクターの恋愛の行方も気になるストーリーとなっています。

恋愛関係は複雑に絡まるものの、恨み辛みの泥沼劇となっていない点が本作の魅力です。どのキャラクターも恋愛に悩みつつ、自分と向き合う姿勢がある点で共感できます。皆自分に正直だからこそ悩むけれど、自分も相手も大切にする恋愛が描かれています。
柚木麻子といえば、「私にふさわしいホテル」の原作者でもあります。本作には『私にふさわしいホテル』に関連するキャラクターも登場する嬉しい仕掛けもあります。複数の視点でお楽しみください。
デート向き映画判定

カナコと長津田の恋愛関係が軸に描かれつつも、2人に関わる他のキャラクターも含め、さまざまな視点で観られます。生々しい展開もあるので、カップルで観るのは微妙な気もしますが、お互いに今の関係を客観視する機会が欲しい場合は敢えて一緒に観るのもアリでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

良い悪いは抜きにして、恋愛の見本といえるシチュエーションが複数出てくる上に、就職の話題も出てくる点で、特にティーンの皆さんには身近なストーリーに感じられると思います。また、大学サークルの様子も出てくるので、いろいろな団体があり、これまで出会わなかったような人にも出会う機会があるとイメージできるのではないでしょうか。


『早乙女カナコの場合は』
2025年3月14日より全国公開
日活、KDDI
公式サイト
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© 2015 柚木麻子/祥伝社 © 2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会
TEXT by Myson
関連作
「早稲女、女、男」柚木麻子 著/祥伝社
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情報は2025年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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