ヴィム・ヴェンダース 監督、ジェームズ・マカヴォイ、アリシア・ヴィキャンデルが主演というだけで興味が湧く映画ファンは多いでしょう。そんな期待を裏切らず、主演の2人は最高にセクシーで美しく、内容としてもとても新鮮な要素を感じる作品になっています。主人公の1人がスパイなのにスパイ映画ではないし、偶然出会ったスパイとスパイの仕事に関係のない学者の恋愛というところもなんだか新鮮。出会ったばかりだけれど、強烈に惹かれ合う2人が、それぞれ離ればなれのところで死に直面し、お互いの存在を思いながら生きようとする物語はとてもロマンチックです。2人の知性の高さを表現するセリフもとても印象的。キャラクター設定、舞台設定と、どれを取っても、一見結びつきがなさそうな要素を、“海”“水”で繋げてしまう、構成力が素晴らしいし、独創的です。最近心が乾きがちな方にオススメです。
めちゃめちゃロマンチックで、ハラハラドキドキもあり、デートにオススメの作品です。出会った男女が心の距離を詰めていく様子は微笑ましく、ベテランカップルは初心にかえれるかも知れません。離ればなれで余計な心配をしてしまう様子もリアルで、遠距離カップルは特に共感できそうです。
出会った瞬間に惹かれ合う感覚は年代を問わず通じる部分もあると思いますが、大人向けの作品という感じです。ラブサスペンスなので、キラキラした恋愛映画とは異なりますが、いろいろな要素、展開を楽しめるので、最後まで飽きずに観られると思います。
『世界の涯ての鼓動』
2019年8月2日より全国順次公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト
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TEXT by Myson