REVIEW
「粛軍クーデター」「12.12軍事反乱」などといわれる韓国民主主義の存亡を揺るがした実際の事件をもとに、一部フィクションも交えて描かれた本作。監督は『アシュラ』のキム・ソンスが務めており、同作でもタッグを組んだファン・ジョンミンとチョン・ウソンが再び主演を飾っています。
物語の舞台は1979年。独裁者といわれた韓国⼤統領が暗殺され、国民は民主化を待ち望んでいます。そんななか、チョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)は新たな独裁者の座を狙い、クーデターを起こします。そんな彼の暴走を止めるべく、首都警備司令官のイ・テシン(チョン・ウソン)が立ち上がります。
まずはファン・ジョンミンがいつもとは違う風貌で登場するので、それに驚く方が多いのではないでしょうか。チョン・ドゥグァンというかなりエッジの効いたキャラクターを魅力的に演じている点はさすがです。それに対峙するイ・テシンを演じたチョン・ウソンも落ち着いた立ち回りがとてもカッコ良く、2大俳優の見事な競演が見どころとなっています。
物語はかなりテンポ良く進むので上映時間の142分があっという間です。個人的には常に鳴り続ける電話のシーンがお気に入りで、その電話によりさまざまな人物が翻弄され、誰が敵か味方かわからなくなっていく展開がとても秀逸です。
韓国の歴史に詳しくない方でも内容自体にはついていけると思います。ただし登場人物が多く、いろいろな役職名が登場するので、鑑賞前or後に公式サイトの相関図をチェックすると、物語をより深く理解できるのではないでしょうか。ファン・ジョンミンとチョン・ウソンの熱演はもちろん、物語としても重厚感あふれる作品となっているので、映画ファンや歴史好きの方は必見です。
デート向き映画判定
歴史好きや韓国映画好きのカップルなら一緒に観るのもアリです。恋愛要素はほぼありませんが、任務を全うしようとするイ・テシンが、ある覚悟の上、妻と話すシーンはとてもジーンときます。そんな夫婦関係を自分達に置き換えながら観ると、主人公達の心情も一層リアルに感じられそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定
独裁者を目指す男とそれを阻止しようとする男の対立は、とても見応えがあるので、ティーンの皆さんならハラハラしながら観られそうです。史実をベースとした物語なので、実際はどうだったのかなど、鑑賞後にご自身で調べると勉強にもなります。
『ソウルの春』
2024年8月23日より全国公開
クロックワークス
公式サイト
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TEXT by Shamy
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情報は2024年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。