上映時間83分の中に人間ドラマ、SF、アクションなどの要素がギュッと詰まっていて、最後まで飽きることなく楽しめます。物語の舞台は第二次世界大戦中の1943年。空軍の女性大尉ギャレット(クロエ・グレース・モレッツ)は、ある極秘任務を遂行するために爆撃機に乗り込みます。ギャレットが男性乗組員達から疑いの目を向けられながらも任務遂行のために努力する姿はとてもカッコ良く、思わず応援したくなります。それと同時に彼女の任務に隠された秘密に迫る展開からも目が離せません。
クロエ・グレース・モレッツの魅力を存分に堪能できるのも嬉しいポイントです。詳細は控えますが、物語の大半はクロエ・グレース・モレッツが演じるギャレットのみのシーンで構成されており、彼女の繊細な演技により物語への没入感も増しているように感じます。また、男性乗組員を演じたニック・ロビンソン、ビューラ・コアレ、テイラー・ジョン・スミスらも登場シーンは少ないものの存在感を発揮しているので、ぜひ注目してください。
第二次世界大戦下という時代性もあり、女性の意見をなかなか信用しない男性乗組員達の発言にはイラッとする場面もありますが、その中でギャレットが命懸けで奮闘する姿には心を打たれます。ギャレットのあまりの強さにツッコミたくなる部分もありますが(笑)、いちエンタメ作品として捉えると純粋に楽しめますし、短い上映時間の中で高い満足度を得られる作品です。
緊張感溢れるシーンが多いので、デートで観るとジェットコースター効果が期待できます。紅一点のギャレットのたくましい姿と、少々情けない男性乗組員達の姿からは、人間関係を構築する上での大切なものも見えてくると思います。鑑賞後は物語の展開や、クロエ・グレース・モレッツの魅力について話すと盛り上がりそうです。
テンポ良く物語が進み、あっという間に観終わるので、皆さんにもオススメの1作です。戦争が絡む作品ですが、SF要素やギャレットを中心とした人間ドラマが描かれていることで、重たい内容になっていないのも観やすいポイントです。ギャレットの複雑な心情に注目しながら真剣に観ても良いですし、サプライズ要素も多いので、展開を予想しながら観ても楽しめると思いますよ。
『シャドウ・イン・クラウド』
2022年4月1日より全国公開
カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト
© Ātārangi Kiriata Limited 2020
TEXT by Shamy
- イイ俳優セレクション/クロエ・グレース・モレッツ
- イイ俳優セレクション/テイラー・ジョン・スミス(後日UP)
- イイ俳優セレクション/ニック・ロビンソン