DCコミックスの映画化作品に新風を吹き込む作品。まだ14歳のビリー(アッシャー・エンジェル)がひょんなことから特殊な能力を授かり、見た目が大人のヒーローになってしまうというお話なのですが、ヒーローにはお決まりの悲しい幼少期がありながらも、14歳の無邪気さと、見た目だけが大人というところでの皮肉なジョークが効いています。「そう言われてみればそうだ」とか「自分もヒーローになったらそれやってみたい!」と思ってしまう、純粋な観客側の心情を14歳のピュアな視点で代弁してくれていて、ヒーローものには当然だと思っていた設定を新たな視点で観るきっかけを与えてくれます。でもアクションの迫力は損なわず、笑えるシーンが満載で、とてもアットホームな雰囲気に包まれた作品になっている点でも、他の映画化されているDCコミックスの作風と一線を画しています。
そして、主人公のビリーを含む、子ども達がとてもキュートで愛おしく、ウルウルさせるシーンも豊富。クライマックスは予想を裏切る展開で、その点でも新鮮さを感じます。132分というやや長めの上映時間ですが、あっという間に終わりますよ。アメコミ作品を観たことが人にもとても観やすく、老若男女にオススメの1作です。
気まずいラブシーンもなく、笑えてホロッとするアクション超大作なので、デートにピッタリです。普段映画をあまり観ない人でも楽しめるし、これまでのDCコミックス作品を知らなくても全く問題なくついていける内容です。中身はティーンエイジャー、見た目は大人という設定で、共感するのに年齢も選びません。友達以上恋人未満からベテランカップルまで、どんな関係性の映画デートでもオーケーです。
14歳の少年ビリーが主人公で、彼が預けられている里親の家にいる兄弟姉妹は、小学生から高校生までいるので、誰かしら感情移入できるキャラクターが見つかるはず。血の繋がりはなくても一致団結する兄弟姉妹の絆に心を打たれ、憧れを抱きつつ、親近感の湧くストーリーで、キッズやティーンの皆さんにぜひ観て欲しい1作です。
『シャザム!』
2019年4月19日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
TEXT by Myson