本作はあらすじを読んでから観るのと、何も知らずに観るのとでは、特に前半の印象が変わりそうです。毎度ながら私はなるべく前情報を入れずに観るので、前半のキャラクター達の不可解なやり取りから丸ごと楽しめました。何も知らずに観たほうが、「なんでそんなことしたの?」「そんなことして大丈夫?」「何の話?」とシーン毎に疑問が沸々と湧き、物語に一層引き込まれると思います。
そして本作は、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、ローマン・グリフィン・デイヴィス、リリー・ローズ・デップといった豪華キャストによる共演も見もの。さらにクリスマスの夜に友人を招いて開かれるパーティーにおいて、彼等が交わす会話にも要注目です。本作では序盤で彼等が今どういう状況に置かれているかが明かされます。その対処を巡って、大人も子どもも議論を交わします。大人達は物知り顔で子ども達をなだめますが、ローマン・グリフィン・デイヴィスが演じる少年アートは簡単には納得しません。ここに本作の大きなテーマが込められていて、印象的なラストへ繋がっていきます。ネタバレになるのでここでは詳細を控えますが、映画をご覧になってから、ぜひ映画公式サイトの「カミラ・グリフィン監督の言葉」をお読みください。
イギリス文化を色濃く感じる作品であると共に、ブラック・ユーモアが効いています。この独特な世界観を味わってみてください。
複数のカップルが登場し、「こういう時どうする?」のパターンがいろいろと出てきます。ロマンチックな展開はあまりありませんが、ある意味、観る人の価値観を問うストーリーなので、一緒に観て感想を話し合うと2人の相性がわかる部分がありそうです。交際の一歩手前で相手との関係をどうするか考え中の方は、試しに2人で観てみるのはどうでしょうか。
本作には子ども達も複数登場します。その中でも特にローマン・グリフィン・デイヴィスが演じるアートが強い主張を持っているので、キッズやティーンの皆さんは特に彼に感情移入して観るのではないでしょうか。結末でアートの運命がどうなるのかを知ると、皆さんの視野も少し広がるかもしれません。
『サイレント・ナイト』
2022年11月18日より全国公開
イオンエンターテイメント、プレシディオ
公式サイト
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TEXT by Myson
- イイ俳優セレクション/キーラ・ナイトレイ
- イイ俳優セレクション/マシュー・グード
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- イイ俳優セレクション/ローマン・グリフィン・デイビス