ソニックは日本の企業セガが生んだゲームの人気キャラクターなので、このビジュアルや名前に馴染みのある人は多いでしょう。本作は既にゲームからファンの人が楽しめるのはもちろん、ゲームをやったことがないならないで、本作を観て「こういうキャラクター設定で、そんな背景があったんだ」と興味が湧くはずです。物語の最初はちょっぴり切なく、一見地球での生活を満喫するソニックの様子は観ていて楽しいのですが、特別な力を持つがゆえに孤独であることが語られます。そんな序盤ですっかりソニックのキャラクターにグッと心を掴まれるわけですが、彼があるトラブルを巻き起こしてしまってからは、残された時間で地球で何を成し遂げるのかを応援しながら観ることになります。ソニックがはしゃぐ姿を観ていると、「地球って楽しいところなんだな」としみじみ感じさせられたり(笑)、何気ない日々が大切だということを教わります。本当にソニックがキュートでピュアで、私は本作を観ただけですっかり魅了されてしまいました。そして、ジム・キャリーが演じる悪役のドクター・ロボトニックの存在も本作に欠かせません。超クレイジーなドクター・ロボトニックをジム・キャリーがコメディ感全開で演じていて、「これ、これ、久々にこんなジム・キャリーが観たかった!」と大満足させてくれます。また、グリーンヒルズの人々もそれぞれ味があって、ほのぼのとした雰囲気だからこそ、ドクター・ロボトニックとの掛け合いによる化学反応で楽しませてくれます。さらに要所要所で迫力のアクションシーンがあり、ファミリー向けの映画としてはもちろん、大人が観ても楽しめる作品となっています。
何ら気まずいこともなく、笑えるシーンも多いので、デートでも楽しく観られます。特にゲームのことは知らなくても全く問題ありません。劇中でソニックがドクター・ロボトニックの追跡から逃げるシーンでは、パリ、万里の長城(中国)、ピラミッド(エジプト)など、世界中を超音速で駆け巡るので、旅行気分もちらっと味わえますよ。
ソニックのキャラクターといい、超音速で走ったり、遊んだりするシーンといい、キッズやティーンの皆さんが存分に楽しめる要素が詰まっています。ずっと独りぼっちだったソニックが、あることがきっかけで人と触れあっていく展開も観ていて微笑ましく、「地球で本当の友達ができるかな?」と共感しながら観られると思います。超クレイジーなドクター・ロボトニックもキャラが濃いので、上映時間100分もあっという間です。
『ソニック・ザ・ムービー』
2020年6月26日より全国公開
東和ピクチャーズ
公式サイト
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TEXT by Myson