キービジュアルや場面写真を見るだけでも、サーチライト・ピクチャーズ作品のいい匂いがプンプン漂ってきて、期待を大きく膨らませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その期待を裏切らない作品です。物語の舞台は、子ども達が夏休みを過ごす、演劇を学ぶキャンプ。スタッフには、個性的なメンバーが揃っています。
何が起こるのかは本編で観ていただくとして、のっけから観客を独特なテンションで巻き込む勢いがあります。そして、「何なんだ、これは!」の嵐が吹き荒れます。私は終始「何なんだ、これは(笑)!」と心の中でツッコミながら観ていたので、遂にセリフにまで同じような言葉が出てきた時には心の中で爆笑。さらに、キャストは、子どもも大人も“ちょっとウザい人(だけど憎めない)”の演技が絶妙に巧い!それでいて、めちゃくちゃ歌が上手いので、憎いギャップに完敗です。ベン・プラット、ノア・ガルヴィンといった、舞台でも映画でもミュージカルで活躍するキャストが名を連ねていることからも、歌、音楽の精度の高さはおわかりいただけるのではないでしょうか。これはもう、笑いのツボを斜めから刺してくるので、クセになっちゃうはずです。
本作はモキュメンタリーとなっている点でも魅力が引き立っています。「何でやねん!」とツッコミを入れたくなるポイントが満載であると同時に、私達の現実世界にも通じる切ない展開、夢のある展開が両方あって、クライマックスはとてもドラマチックです。未来に可能性をたくさん秘めた子どもはもちろん、夢を諦めかけた大人にだってまだまだ可能性はあると希望を持たせてくれる作品です。皆さんもこの“シアター・キャンプ”にぜひ参加してください。
友達以上恋人未満でそれ以上は進展できない事情がある2人は少し切なくなる部分があるでしょう。とはいえ、基本的にはカップルで観ても気まずいところはありません。ただし、笑いのツボは合うか合わないかは分かれそうな気がします。その点も含めて、自分達の相性を占いたい方は一緒に観てみるのもアリではないでしょうか。ツボが合えば、鑑賞後の会話は弾むと思います。
演技を学ぶキャンプにはたくさんの個性的な子ども達が集まっています。キッズからティーンまでいるので、皆さんは等身大で参加している気分になれるのではないでしょうか。可笑しな大人達もたくさん登場するので、人間ウォッチングの対象としても見応えがあります(笑)。「やればできる!」と思わせてくれるストーリーなので、若い皆さんが今観る意義も大いにあるでしょう。
『シアター・キャンプ』
2023年10月6日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson
本ページの情報は2023年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。