人間は自分達が便利に生きられるようにさまざまなものを生み出してきました。その究極の産物が人間に近い存在のAIです。本作は私達人間が現実的に向き合わなければいけない問題をテーマにしています。本作に登場するAIは、人間に使われる存在としてだけでなく、自立して人間と同じように暮らしています。そんななか、共存か敵対かという問題が浮上し、敵対派の人間によって戦争が起こります。
見応えのあるテーマ、ストーリーに魅力を加えているのはキャラクター達。特にアルフィーがとっても可愛い!というか、アルフィーを演じたマデリン・ユナ・ヴォイルズの名演に驚かされます。ジョン・デヴィッド・ワシントン、渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイといった大物達に囲まれながら、堂々たる演技を披露しています。マデリンはAIらしい仕草と同時に子どもらしさのある表情も豊かで、観る者を惹きつけます。
科学技術は、元々良い目的に使われるために開発されたとしても、必ず悪用する者が出てきます。本作を観ていると、結局のところ、問題の根源は人間の身勝手さにあることを改めて実感できます。また、人間と同じように意思があるAIは単なる機械なのか、それとも人格を持つ存在なのかというテーマを通して、人とは何かを観る者に問いかけるストーリーとなっています。クライマックスはアクションシーンに迫力あり、エモーショナルなシーンもありで見応え抜群です。
恋愛と人間愛こそが鍵となっている物語なので、好きな人、大切な人がいる方は一層感情移入できるでしょう。デートで観るなら、隣に座っているパートナーの存在が愛おしく感じられそうです。共感できる内容ながら、特殊なシチュエーションなので、逆に気まずくなることもないはず。初デートでもオーケーでしょう。
ストーリーはシンプルなので、洋画を観慣れている小学生なら内容についていけると思います。上映時間は2時間を超えるので、集中力が保てるかどうかは検討したほうが良いでしょう。本作では、子どもの姿をしたAIのアルフィーが大活躍します。彼女は、ジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と過ごすなかでいろいろなことを学んでいきます。彼女はとても頼もしい存在に成長していくので、観ていて爽快です。
AIと人間の違いは一見簡単に説明できそうですが、本作を観ると難しさがわかるはずです。この問いはそのまま人間とは何かという問いとなっています。本作を観ながらその答えを考えてみると、自分の価値観に気付くかもしれません。
『ザ・クリエイター/創造者』
2023年10月20日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
© 2023 20th Century Studios
TEXT by Myson
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情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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