Netflix作品ですが、私は東京国際映画祭開催時に大きなスクリーンで観ました。物語は主人公の少年ファビエットの成長物語が軸となっていて、前半はファビエットの家族、親族の日常が描かれ、笑えるシーンやちょっとエッチなシーンも出てきます。後半はある出来事が起こるとトーンが変わっていきますが、それでもイタリア映画に特有の陽気さが終始あり、温かさを感じるストーリーとなっています。
トーンは前半と後半で変わるとはいえ、監督の遊び心、いたずら心がすごく伝わってくるシーンが豊富な点は本作の魅力の1つとなっています。「何やってんねん!」という感じで笑えるシーンも複数出てきますが、そういったカラッと楽しいシーンがあるからこそ、後半のストーリーとのコントラストが効いてくるのだと思います。またファビエットは映画監督になりたいと思っているので、彼の映画観、映画監督についてのイメージなどがいろいろな経験を経てどう変化していくのかというところにもぜひ注目して観てください。ヨーロッパ映画、イタリア映画の良さを肌で感じられる作品なので、邦画やハリウッド映画以外にも観てみたいという方にオススメです。
あっけらかんとしているので気まずくなるほどではありませんが、ヌードやエッチなシーン、セリフは出てきます。なのでウブな方を誘う、自分がウブという方は、もう少し2人の距離が近づいてから一緒に観るほうが良いでしょう。家族の物語なので、鑑賞後は自然と家族について話したくなるはずです。もっとお互いの事を知りたいと思っているカップルは本作鑑賞を機に家族やキャラの濃い親戚の話などをしてみると良いのではないでしょうか。
15歳以上向けの作品なので、15歳未満の皆さんはもう少し大きくなってから観てください。高校生、大学生の皆さんは主人公ファビエットに起こるいろいろな出来事を等身大で疑似体験できるのではないでしょうか。なりたい職業についても、憧れだけで見ている視点、少し実態に近づいた視点と体感できるので、将来について考えている方も共感できる部分があると思います。
『The Hand of God』
2021年12月3日より一部劇場にて公開、12月15日よりNetflixにて配信開始
R-15+相当
公式サイト
TEXT by Myson