REVIEW
ナンニ・モレッティの監督人生50年の集大成といわれる本作の主人公は、ナンニ・モレッティ自身が演じる映画監督ジョヴァンニです。タイトルに入っている“チネチッタ”とは、本作の公式サイトによると、ルキノ・ヴィスコンティの『ベリッシマ』、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』、ウィリアム・ワイラーの『ベン·ハー』や『ローマの休日』など、数々の名作が生まれたローマの映画撮影所のことだそうです。映画監督が主人公で撮影所が舞台となっているので、どっぷり映画の話になっています。
本作では、ジョヴァンニが撮影中の最新作(劇中劇)の物語と、ジョヴァンニ自身の日常を映した物語が併行して進んでいきます。途中途中、ユニークな演出のシーンも出てきて、おもしろい構成になっています。ナンニ・モレッティ監督の過去作や、フェデリコ・フェリーニやクシシュトフ・キェシロフスキ、マーティン・スコセッシなどの作品へのオマージュもあり、映画好きにはたまらない内容となっています。
こだわりが強くこじらせキャラのジョヴァンニの日常もすごくリアルで、撮影現場を覗いている感覚を味わえます。なんといってもナンニ・モレッティが演じるジョヴァンニが面倒だけど憎めないキャラで親近感が湧きます。ジョヴァンニが経験するドタバタも現実なら辟易しそうですが、映画として観るには微笑ましく、クスッと笑えます。皆さんもホッコリしながら、映画撮影の裏側を覗く感覚でお楽しみください。
デート向き映画判定
仕事とプライベートの両立について考えさせられる部分があります。片方はずっと二人三脚でやってきて、これからも変わらないだろうと思っているのに、もう一方は我慢の限界にきている…。これって、ベテランカップルにありがちですよね!?そんな状況に自分達も陥っている可能性を感じたら、観てみてください。
キッズ&ティーン向き映画判定
皆さんの年頃でヨーロッパ映画を観ている人はまだ少ないかもしれません。逆に10代で既にヨーロッパ映画に興味を持ち始めているなら相当な映画好きといえそうです。ナンニ・モレッティ監督作はもちろん、他の巨匠達の作品にも触れるので、映画の知識が増えてから観るほうが楽しめそうですが、映画作りに興味を持っている方なら、制作者目線で撮影現場を見学する感覚で楽しめるのではないでしょうか。
『チネチッタで会いましょう』
2024年11月22日より全国公開
チャイルド・フィルム
公式サイト
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© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma
TEXT by Myson
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情報は2024年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。