ティム・ロビンスとスーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスと、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーというサラブレッドの共演という点でまず興味深いですよね。統合失調症の母と暮らしているルークは、あるトラウマ的な出来事が起きた時から、空想上の友達(イマジナリー・フレンド)ダニエルと遊ぶようになります。母の症状はどんどん悪化するばかりで、ルークは辛い日々を送りますが、ダニエルが心の支えとなっていて、どんどんダニエルの存在が大きくなっていきます。でも、あることがきっかけでダニエルを封印。大人になったルークはダニエルのことを思い出し封印を解きますが、そこから狂気の日々が始まるというストーリーです。精神的な病がキーとなるストーリーなので、ルーク役のマイルズ・ロビンスには難しい演技が要求されます。彼はそれを見事に演じていて、まさに狂気の世界の怖さがリアルに伝わってきます。そしてルークが生み出したダニエルもかなり濃いキャラクターで、パトリック・シュワルツェネッガーの美しく洗練された容姿が役の鋭さと神秘性と相まって怖いけれど魅力的なキャラクターを体現しています。そして思った以上にガッツリとホラーなので、見応えがありますよ。本作で描かれている統合失調症やイマジナリー・フレンドは実際の病症とは異なる部分であり、あくまで映画の設定として観るべきですが、設定としてはとてもユニークだと思います。映画好き女子にオススメの1本です。
吊り橋効果もありそうですが、性的描写や暴力描写もあるので、デート向きとは言い切れませんが、これまでもいろいろな映画を一緒に観ているカップルなら楽しめると思います。精神疾患が出てくるので、心理的怖さだけかなと思いきや、ビジュアル的にもホラー感満載なので、その辺は考慮した上で相手が耐性がありそうなら誘ってみると良いのではないでしょうか。
R-15なので15歳未満の人は観られません。怖い映画に耐性がない人がいきなり観るとかなり強烈に感じると思いますが、テンポが良く、クライマックスはハラハラドキドキが続くので、ジェットコースタームービー的に友達と一緒に楽しむと乗り切れるかもしれません。ティーンが好みそうな作品なので、観る映画のジャンルを広げようと思っている人は、本作でホラーデビューしてみてはどうでしょうか。
『ダニエル』
2021年2月5日より全国公開
R-15+
フラッグ
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TEXT by Myson