本作は、長年トップを走り続けてきたアーティスト長渕剛が、俳優として20年ぶりに主演を果たした作品。昔気質の大工役がとてもハマっていて、ちょっとやんちゃで人情味のあるキャラクターもイメージにピッタリ。そんな長渕剛が演じる主人公の川崎信吾が、ある日出会ったシングルマザーとその幼い息子のために奔走すると同時に、自身の家族との絆を見つめ直す物語です。信吾は情に厚く、困っている人を放っておけないタイプで、その人の世話に没頭するあまり、別の問題が出てきます。それがどんなことなのかは映画を観て確かめて頂くとして、信吾だけではなく、妻の美沙希、彼らの子ども達の優しさも噛みしめられるストーリーになっているところが本作の魅力です。そして、長渕剛といえば並外れた身体作りをしている印象を持つ方が多いと思いますが、劇中でも筋トレシーンやマッチョさを感じさせるシーンがふんだんに含まれています。1956年生まれということですが、60代には全く思えない肉体美にもぜひご注目ください。
信吾のような人はとても魅力的ですが、交際したり、結婚すると苦労することも多そうです。でも、帰るところがあるからこそ、こういう人は頑張れているのだろうし、支えるほうもそんな人だから好きでいられるという部分も感じ取れるので、そういうカップルは一緒に観るとお互いの苦労がわかるでしょう。相手が人の世話ばかりで忙しく、自分はあまりかまってもらえていないと寂しい思いをしている人はぜひ誘って2人で観てください。
誰でも親が自分以外の人に優しくすることにヤキモチを妬いたことがあると思いますが、本作では子ども達のいろいろな視線も描かれていて、キッズやティーンの皆さんも共感できる部分があります。少し大きくなると、親と面と向かって真面目な話をするのは照れくさいと思いますが、本作では親心を客観視できます。なので、家族との距離を感じている時に観るのも良いと思います。
『太陽の家』
2020年1月17日より全国公開
REGENTS
公式サイト
TEXT by Myson
©2019映画「太陽の家」製作委員会