REVIEW
実におもしろい!笑いどころが満載です。本作はタイトルの通り、1枚の宝くじが“不時着”することで始まるストーリー。その宝くじはソウルの居酒屋で捨てられ、風に乗って38度線にある韓国軍の監視所で、パク・チョヌ兵長(コ・ギョンピョ)に拾われます。何気にテレビで抽選会を観ていたパクは、その宝くじが6億円の当選くじだと知り、舞い上がります。でも屋外で任務中に、浮かれて宝くじを眺めていたところ、宝くじは風に吹き飛ばされ、軍事境界線を越えて北朝鮮に入り、リ・ヨンホ(イ・イギョン)に拾われます。そこから、南北の駆け引きが始まります。
私は序盤の“利き牛乳”で「何やってんの(笑)!」と心を鷲掴みにされ、ずっと笑いながら観ました。「これは『JSA』の展開では?」と思ったら、まさにそんな要素が出てきながら、奇想天外な展開で、ドキドキハラハラとワクワクが絶妙に混在したスリルを味わえます。韓国と北朝鮮の文化の違いにフォーカスしたシーンにもとてもユーモアがあり、「あれ、やるぞ、やるぞ、やっぱりやった!」と、敢えて少し先読みできる演出が余計に笑いを誘います。結構どうでも良さそうな設定すら伏線になっていて、後々に大きな効果を発揮します。
俳優陣のコミカルな演技も抜群で、良い化学反応が起きています。そして何より、この可笑しさは演出と脚本によるところが大きいでしょう。公式サイトによると、パク・ギュテ監督は「コメディは人生の潤滑油になると信じている」とあり、本作はまさにそんなストーリーとなっている点でとても共感できます。たくさん笑えてホッコリできる本作、多くの方にきっと気に入ってもらえると思います。
デート向き映画判定
老若男女問わず、とても楽しく観られる作品で、初デートで観るのも良いでしょう。一緒に笑えると距離もグッと縮まりますよね。かなりわかりやすいギャグが多いので、笑いのセンスを尖らせなくても大丈夫です。観終わった後も、いろいろ振り返ってしゃべりたくなることがあるので、会話のネタにも困らないと思います。
キッズ&ティーン向き映画判定
笑いが満載のコメディではありながら、北緯38度線付近にある、北朝鮮と韓国の軍事境界線のことを知った上で観て欲しい作品です。また、両国の関係とそれぞれのお国柄を知った上で観たほうが存分に楽しめます。よく知らないという型は簡単に予習をしてから観て、鑑賞後に興味が増したら、もっと深く調べてみると世界史の勉強にもなりますね。
『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』
2023年12月29日より全国順次公開
ツイン
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2023年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。