原作を知らずにタイトルだけ見ると、現代を舞台にしたラブコメにも思えますが、物語の舞台は大正ロマンをイメージした時代の日本です。そして、物語もシンデレラストーリーを一層過酷にした切ないものです。ただ、ヒロインの運命の過酷さが切なさをさらに引き立て、観る者を引き込みます。そんな本作は、2019年に小説とコミックが刊行され、シリーズ累計発行部数650万部を突破し、アニメ化も決定しているという同名小説を映画化した作品です。
キャラクターがとても魅力的に描かれた本作では、俳優陣の魅力も光ります。まず、久堂清霞を演じた目黒蓮は、キャラクターの類稀な美しさとミステリアスなオーラを見事に体現。なかなかここまでこの役にピッタリハマる俳優はいないのではないでしょうか。涼やかな顔立ちと長身でスラッとした体格、品のある佇まいがなんともいえません。これは惚れちゃう方、続出しそうですね(笑)。物語の大きな鍵を握るヒロイン、斎森美世役の今田美桜のなりきりぶりも見事!華やかさを一切封じて、悲壮感漂うヒロインを好演しています。今後の俳優としての彼女の活躍に期待が膨らみます。時折見せる笑顔や、甘味を食べるシーンがすごく可愛いのでキュンとしちゃう方も多いはず。また、山本未來が演じる、清霞の母的存在、ゆり江も優しくおおらかで親近感のあるキャラクターとして観る者を魅了します。辛く切ない物語ながら、清霞、美世、ゆり江の人間味が伝わってくる展開には、優しさと希望が見え、美世がどんどん幸せになっていく姿に誰もが引き込まれると思います。
意外なストーリーと独特な世界観は、小説やコミックで人気となるのも納得。エンドロール後にも気になる要素があるので最後までお見逃しなく!
切なさがムードを盛り上げてくれそうな本作はデートにピッタリ。清霞と美世が不器用な者同士というところでも初々しさがあって、共感できる方も多いと思います。初デートはもちろん、友達以上恋人未満の2人にもオススメです。求婚予定の方は、2人で一緒に本作を観てから、劇中に出てくる求婚方法を真似るいうシャレも使えそうです(笑)。
若い世代に人気のキャストが出演していて、特殊な能力を持つがゆえに宿命を背負ったキャラクター達が活躍するストーリーかつ切ないラブストーリーということで、今の若い世代が大好きな要素が揃っています。タイトルに“結婚”という文字がありますが、それ以前に人としてどう生きるか、どんな人と一緒に生きたいかが描かれていて、普遍的なストーリーでもあります。ぜひ大切な人と観てください。
『わたしの幸せな結婚』
2023年3月17日より全国公開
東宝
公式サイト
©2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会
TEXT by Myson
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