親と息子夫妻の二世帯で暮らす一軒家を舞台に、夫婦や親子のデリケートな問題が描かれた本作。義理の母が嫁に向けて「そろそろ子どもは?」と聞く場面や、夫婦のセックス事情はとてもリアルで、実際に同じような経験をされている方もいそうだなと感じます。
本作は嫁のさら(鄭亜美)を中心に描かれており、彼女の心情にフォーカスしながら観ることができます。特に義理の母からプレッシャーをかけられる一方で、自分は夫婦関係の悩みを抱えているというもどかしい感情には共感できる方も多いと思います。その一方で、夫の態度を観ていると「もっとしっかりしてよ!」と思う場面も多かったので、世の夫達が本作を観た時にどんな感想を持つのか気になります。
監督、脚本は、ソフトバンクモバイルのCM“白戸家”を手掛け、演劇プロデュースユニット“城山羊の会”の劇作家、演出家としても活躍する山内ケンジが務めています。夫婦や親子のデリケートな問題を見事に映像化している点は監督の手腕を感じます。決して他人事とは思えない家庭の問題が多く出てくるので、鑑賞中は観ている側もとても複雑な心境になります。本作を観ることで親子や夫婦関係を改めて見直すきっかけにもなるのではないでしょうか。
義理の親との関係や夫婦関係がリアルに描かれているので、結婚を考えているカップルにとっては参考になる部分がありそうです。また、本作では1階は両親、2階は息子夫婦という二世帯住宅での暮らしが描かれているので、親との同居を考えている方は本作で疑似体験してみるのも良いと思います。
R-18+なので、皆さんは18歳以上になってからご覧ください。18歳以上のティーンの方も、本作の大人達の発言や行動には少しショックを受ける場面があるかもしれません。今は理解できなかったとしても、将来もし似たような問題に直面した時に改めて本作を観るのもオススメです。
『夜明けの夫婦』
2022年7月22日より全国順次公開
R-18+
スターサンズ
公式サイト
©「夜明けの夫婦」製作委員会
TEXT by Shamy