本作は、ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・リンチら世界的に活躍する映画監督や、ベン・バート、ウォルター・マーチ、ゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドへのインタビューと共に、音が映画にもたらす効果と重要性に迫っていくドキュメンタリーとなっています。有名監督の話が聞けて、さらに『ゴッドファーザー』『スター・ウォーズ』『地獄の黙示録』『トイ・ストーリー』などの名作の話も出てくるので、それだけでも映画ファンにとってたまらない作品です。でも本作の魅力はそれだけではありません。映画にまつわる音の歴史を振り返ることで、名作を支えた音のスペシャリストがいることがわかり、観終わる頃には、彼等へ大きな拍手を送りたくなります。劇中で、「偉大な監督には良い音声担当がいる」というコメントがありますが、まさにその通りで、「この監督とこの音響担当の人が出会ってこの作品ができて…」と、系譜を辿っていくのもすごく楽しいですし、どうやって有名な音響や音楽が作られていったのかもわかるので、改めて名作を観直したくなります。ドキュメンタリー作品としてもすごく観やすい作品ですし、映画ファンでもそうでなくても気が付いたら引き込まれて、映画の魅力にハマってしまうこと間違いなしです。これを観たらきっと映画の観方が変わりますよ。ぜひ多くの方にご覧頂きたい作品です。
デートで観ても楽しめると思います。映画音響にまつわるドキュメンタリーなので、恋愛要素はありませんが、映画好きの相手をこの作品に誘ったらきっと喜んでもらえると思います。また、いろいろな名作が登場するので、次回のデートでは本作に登場した映画を一緒に観るのも楽しそうです。
キッズも観られますが、ドキュメンタリーで、インタビューの字幕をきちんと読めて(もしくは英語をきちんと聞きとれて)理解できないと、付いていけなくなってしまうので、小学校高学年以上になってから観るほうが良いと思います。劇中では、名監督や音のスペシャリスト達の若かりし頃の姿も映し出されていて、当時の苦労なども赤裸々に語られています。今でこそ有名で雲の上のような存在の人達ですが、やはり若い頃には失敗したり、地道に頑張っていた時期があったことがわかります。映画関係の夢を持っている人はもちろん、将来を担う皆さんにもぜひ本作を観て頂き、夢に向かって進み続ける勇気をもらって欲しいと思います。
『ようこそ映画音響の世界へ』
2020年8月28日より全国順次公開
アンプラグド
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TEXT by Shamy