変人だけど天才的な頭脳を持つ物理学者、湯川学(福山雅治)が、不可解な未解決事件を見事に解決していく大人気シリーズの最新作『沈黙のパレード』。今回は本作で姉妹役を演じた川床明日香さんと出口夏希さんにお話を伺いました。役が決まった時の心境や、豪華キャストとの共演エピソードなどを聞いてみました。
<PROFILE>
川床明日香(かわとこ あすか)写真左:並木佐織 役
2002年7月10日生まれ。福岡県出身。2014年、第18回ニコラモデルオーディションで1万人を越える応募者の中から見事グランプリを獲得する。その後、CM“積水ハウス「この日を忘れない篇」”で注目を集め、2019年に『ピア~まちをつなぐもの~』で長編映画初出演を果たす。以降、ドラマ『俺の話は長い』(2019)や、NHK連続テレビ小説『なつぞら』のスピンオフドラマ『十勝男児、愛を叫ぶ!』(2019)、HBOアジア・オリジナルズ『フードロア:Life in a Box』(2020)、竹内まりや「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」MV(2022)などに出演。2022年、映画『沈黙のパレード』では、オーディションにより並木佐織役を射止めた。
出口夏希(でぐち なつき)写真右:並木夏美 役
2001年10月4日生まれ。中国出身。2018年に、ミスセブンティーン2018に選出され、セブンティーン専属モデルとして活動を始め、2022年8月に卒業。2019年、『ココア』でドラマ初出演にして初主演を飾った。その後もドラマ、映画、CMなどで、幅広く活躍中。2022年は、映画『沈黙のパレード』の並木夏美役、ドラマでは『インバージョン』『ばかやろうのキス』でヒロインとして出演。今後は森七菜とW主演のNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』(是枝裕和監督が総合演出・監督・脚本)も配信が控えている。
見事オーディションに受かった先に現場で感じたこととは?
シャミ:
人気の“ガリレオ”シリーズへの出演が決まった時の印象をそれぞれ聞かせてください。
川床明日香さん:
オーディションでは佐織と夏美の両方を演じたのですが、佐織での出演が決まってとても嬉しかった反面、佐織は物語の中で大事な役なので、最初はすごく不安でした。
出口夏希さん:
最初にオーディション台本をいただき、夏美のパートは“なみきや”でのシリアスなシーン、佐織のパートはデートのシーンでした。夏美を演じていてすごく楽しかったので、「絶対にこの役をやるんだ!」という気持ちでオーディションを受けました。実際に受かった時は本当に嬉しかったです。
シャミ:
いざ役が決まり、プレッシャーはありませんでしたか?
川床明日香さん:
私は嬉しさよりも先にプレッシャーが出てきてしまい、「本当に大丈夫かな?」と不安でした。でも、何度かリハーサルをして、丁寧に佐織を作る時間をいただいたので、少しずつ不安が消えていき、だんだんと楽しさのほうが増えていきました。
出口夏希さん:
私の場合は、最初は本当に嬉しかったのですが、後からよく考えてみたら、「こんなすごい作品、すごいキャストの方々の中に入るのか」と不安になりました。「足を引っ張らないようにしなければ」「本当にできるのかな?」という気持ちでした。でも、決まったからにはそんなことは言っていられないと思い、覚悟を決めました。
シャミ:
佐織と夏美にそれぞれ共感できた部分やご自身と似ていると思った部分はありますか?
川床明日香さん:
佐織はすごく芯のある子で、歌をやると決めたらそこに向かって突き進む子だと感じたんです。でも、私は結構優柔不断なので佐織はすごいなと思いました。
シャミ:
佐織は歌手になることを夢見る学生で、歌唱シーンもありましたが、撮影に向けてどんな練習をされたのでしょうか?
川床明日香さん:
歌のレッスンをしていただきました。元々歌を歌うことは好きでしたが、レッスンを通してより好きになりました。なので、佐織もこうやって歌のレッスンをしていたのかなと想像することができ、役に対するヒントも得られました。
シャミ:
なるほど〜。出口さんは夏美とご自身とで似ていると感じるところはありますか?
出口夏希さん:
元気で明るいところは夏美と似ているかもしれません。周りの大人の人に対する接し方も少し似ていると思います。ただ、夏美の場合は周りの皆が悲しんでいるからこそちゃんとしようという責任感もあって明るく振る舞っていた部分もあったので、そこは自分にはない初めての感覚でした。
シャミ:
福山雅治さんをはじめ、豪華キャスト揃いでしたが、共演してみた感想や現場で印象に残ったエピソードがあれば教えてください。
川床明日香さん:
私がこの仕事を始める前から知っている方ばかりだったので緊張しましたが、私がお芝居で投げかけた時にきちんと返してくれるという安心感もありました。だからこそ佐織を楽しく演じられたのだと思います。
シャミ:
何か撮影裏でお話されたことなどはありますか?
川床明日香さん:
並木家のシーンを撮影した時は、カットがかかってからもセットの中でお父さん(飯尾和樹)とお母さん(戸田菜穂)と夏美と話していました。それがすごく楽しかったです。
シャミ:
出口さんは福山さんとの共演シーンもありましたが、いかがでした?
出口夏希さん:
本当にクランクインからアップまでずっと緊張していました。私も並木家のお父さんとお母さんと共演するシーンが多く、ずっとお話していました。福山さんとは、パレードのシーンですごく距離が近かったので、最初は緊張が勝ってしまいました。でも、福山さんが、「もっと思い切り来ていいよ」と言ってくださり、とても安心して演じることができました。本当に皆さんすごく優しくて、温かい空気感の中でお芝居をできたので良かったです。
シャミ:
夏美が湯川教授と一緒に夏祭りでパレードを見るシーンは特に印象的で、物語においても重要なシーンだったと思います。実際に現場に入った時はどんな印象でしたか?
出口夏希さん:
すごく大がかりな撮影で、エキストラの方もたくさんいました。パレードをした場所は、“なみきや”の近くにある通りだったので、本当にその土地で育ったような気持ちになれました。
シャミ:
間近であのパレードを見たら迫力もすごそうですね!
出口夏希さん:
本当にすごかったです!エキストラさん達が実際にパレードを見に来たお客さんのような気がして、暑いなか頑張ってくださいました。本当に皆と一つになってできたシーンで、すごく感動しました。
シャミ:
タイトルにもあるように、本作において“沈黙”がキーワードだったと思います。お二人が最近沈黙してしまったことや、沈黙で困ったエピソードはありますか?
出口夏希さん:
私の周りは皆うるさいので、沈黙になることがありません(笑)。いつも笑いになってしまいます。
川床明日香さん:
私もあまり経験がないです。私自身、沈黙の空間が苦手なので、静かになると「何か話さなきゃ!」と思ってしまうんです。
出口夏希さん:
わかる!私も自分から喋ってしまうかも。
シャミ:
ハハハハ!それぞれご自身のことも伺わせてください。お二人はモデルとしても活躍されていますが、モデルの経験が俳優のお仕事に活かされていると感じる部分は何かありますか?
川床明日香さん:
私は初めてお芝居をした時にカメラを見てはいけないことにすごく困惑しました。モデルの現場だとカメラを見て撮影することが多いのですが、お芝居をする時に無意識にカメラを見てしまったので、難しかったです。お芝居を何度か経験した今は、逆にモデルとしてカメラの前に立つほうが少し恥ずかしくなってしまいました。
出口夏希さん:
モデルを始めてから美容にも気を遣うようになったので、そこは活かされていると思います。特に夏美の場合はほとんどスッピンだったので、普段から肌に気を付けていて良かったと思いました。普段はメイクがすごく好きなのですが、この役のために自分のスッピンに慣れようと思い、プライベートでもしばらくメイクをしないようにしていました。
シャミ:では、俳優という仕事をしてみて1番やり甲斐を感じるのはどんな時でしょうか?
川床明日香さん:
思っていたことができなかったり、思っていなかったことができたり、自分ではコントロールできないことが多いので、それが毎回楽しいなと思います。
出口夏希さん:
私は、1つの作品が出来上がった時です。役と向き合って、演じて、作品が完成した時に達成感を感じます。
シャミ:
最後の質問で、お二人がこれまでで1番影響を受けた作品、もしくは俳優や監督など人物がいらっしゃったら教えてください。
川床明日香さん:
私が1番好きな映画は、『ライフ・イズ・ビューティフル』です。小学生くらいの時に観た作品で、ずっと印象に残っています。
出口夏希さん:
そこまでまだ映画をたくさん観てきていないので特別影響を受けた作品というのはこれと選べませんが、中学生の頃に日本の恋愛映画がすごく流行った時期があって、その頃は全部劇場に観に行っていました。以前はまさか今自分がこの仕事をしているとは思っていなかったので、あまり監督のお名前などを意識して観ていなかったのですが、最近になってやっと実感が湧いてきて、今は監督さんやスタッフさんのお名前も意識して観るようになりました。
シャミ:
本日はありがとうございました!
2022年8月31日取材 PHOTO&TEXT by Shamy
『沈黙のパレード』
2022年9月16日より全国公開
監督:西谷弘
出演:福山雅治 柴咲コウ・北村一輝
飯尾和樹 戸田菜穂 田口浩正 酒向 芳
岡山天音 川床明日香 出口夏希 村上 淳
吉田 羊 檀 れい 椎名桔平
配給:東宝
天才物理学者の湯川学のもとに、警視庁捜査一課の刑事である内海薫が相談に訪れる。内海は、行方不明になっていた女子学生が、数年後に遺体となって発見されたと話す。そして、事件の容疑者は過去に刑事の草薙俊平が担当した少女殺害事件で完全黙秘を貫き、無罪となった蓮沼寛一だという。蓮沼は今回も完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放される。そして、夏祭りのパレード当日、事件が起こる…。
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