取材&インタビュー

『東京リベンジャーズ』堀家一希さんインタビュー

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『東京リベンジャーズ』堀家一希さんインタビュー

今回は『東京リベンジャーズ』で物語の流れを変えるキーパーソン、パーちんを演じた堀家一希さんにインタビューをさせていただきました。これまで出演された映画やドラマでも印象に残る演技をされている堀家さんですが、いろいろなお話をお聞きし、堀家さんがすごく細かく台詞などを分析し、丁寧に役作りをされていることや、とても映画好きだということが伝わってきました。

<PROFILE>
堀家一希(ほりけ かずき):パーちん 役
1997年11月21日生まれ。岡山県出身。ドラマ『君と世界が終わる日に』にレギュラー出演し、その他にも『イチケイのカラス』『ネメシス』などの話題作でゲスト出演をした他、『警視庁・捜査一課長スペシャル』や『俺のスカート、どこ行った?』などに出演。映画では『泣くな赤鬼』で柳楽優弥が演じたゴルゴの青年期役として出演。その他にも舞台“役者の証”に出演するなど、映画、ドラマ、舞台で活躍中。『東京リベンジャーズ』では、パーちん役を好演。

良い映画との出会いで気付けなかった小さなことに気付けて全く視野が変わる

映画『東京リベンジャーズ』北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/間宮祥太朗/吉沢亮

マイソン:
最初に台本を読んだ時の感想はいかがでしたか?

堀家一希さん:
原作のマンガも読んでいて、どうやってパーちんとして盛り上げていくのかというのがありました。マンガにも“盛り上げ隊長”“切り込み隊長”と書かれているので、パーちんがそこをどう担っていくのかという責任感みたいなものはありました。

マイソン:
実際に完成した作品を観て、どうでしたか?

堀家一希さん:
すごくおもしろくないですか?

マイソン:
すごくおもしろかったです!

堀家一希さん:
どんな風になるんだろうって全然想像がつかなかったんですけど、想像を遥かに越えるカッコ良さがあって、エンタテインメントとして楽しめる作品になっていて、それこそ“クローズ”や“HiGH&LOW”などを僕も観ていたのですが、「これこれ!こういうおもしろさが良い!」って思いました。

映画『東京リベンジャーズ』北村匠海/鈴木伸之

マイソン:
結構激しいアクションシーンもありましたが、そういう現場ではやっぱり緊迫感があるんですか?

堀家一希さん:
あります。相手を怪我させたらどうしようとか、自分が怪我したらどうしようとか、すごく思います。手順をミスしてしまったら当たってしまうかもしれないので。だから絶対に順番を間違えられないなって、そういう緊迫感が僕の中ではありました。

マイソン:
撮影に入る前にお相手の方と合わせたりされるんですか?

堀家一希さん:
2、3日はあったと思います。そこで1日2時間くらい練習をして、本番に入ってからも最初はゆっくり、次は半分くらいの早さ、本番では早くいこうとか、結構緻密に作られています。

マイソン:
そうなんですね。結構なスピード感でやっていたので、当たったりしないのかなと思いました。

堀家一希さん:
当たったことはありました(笑)。

マイソン:
やっぱりあるんですね!!寸前で止めるのはすごく難しいんですね。

堀家一希さん:
そうですね。距離感がわかっていないと止められないんですよ。

映画『東京リベンジャーズ』堀家一希(パーちん役)
左:堀家一希さん/右:原作のパーちん

マイソン:
お互いに激しく動いているから余計難しそうですね。では、いち観客となった場合、ご自身が演じたパーちん以外だとどのキャラクターが1番好きですか?

堀家一希さん:
僕がもし女の子だとしたら、絶対にドラケン(山田裕貴)ですね。

マイソン:
お〜。ドラケンのどういうところが魅力ですか?

堀家一希さん:
喧嘩が強いのは大前提として、守ってくれる且つ男のカッコ良いロマンみたいなものもあって、ちゃんと周りを見ている大人っぽさもある。そして優しさもあるという、本当に完璧ですよね。僕もなりたかったですね。顔もそうですが身長も足りなかったのでできませんでしたけど(笑)。

マイソン:
でもどの役もすごく魅力的ですよね!本作は登場人物が多く、2時間ではそれぞれのキャラクターの背景まで描ききれないところがあると思いますが、物語を動かす重要な役割を持つパーちんのイメージはどうやって膨らませましたか?

堀家一希さん:
原作で描かれている背景も限られているので、自分の台詞と他のキャラクターの台詞でイメージを膨らませました。例えばマイキー(吉沢亮)だったら「俺達は俺達の生きやすい時代を作る」みたいな台詞があったと思うんですけど、そういう細かい台詞の一つひとつから、まずなぜトーマン(東京卍會)ができたんだろうとか、なぜパーちんはそこに入ったんだろうとか、細かい情報を読み取ってある程度の形を作りました。あとは自分で想像して役の履歴書を作ってみたりしましたね。

映画『東京リベンジャーズ』吉沢亮/山田裕貴

マイソン:
ご自身の台詞だけじゃなくて、パーちんに影響を与えたキャラクターも観察してということなんですね。

堀家一希さん:
そうですね。だからマイキーやドラケン、ミツヤ(眞栄田郷敦)の台詞を読んで、こうやって言っているということはこういうチームなんだな、こういうチームに入るということはこういうことなんだなと逆算して、あとは想像しています。

マイソン:
今お話を聞いていて、ご自身の役以外もすごく細かく台詞の奥まで注視されているので、今後脚本を書かれたりされそうだなと思いました。

堀家一希さん:
(マネージャーさんに)させてもらっても良いですか(笑)!?

一同:
ハハハハハ!

堀家一希さん:
簡単なことではないと思いますが、脚本家にも興味はありますね。いつか余裕が生まれたら、自分の書きたいことを書いて、そこからあとはくさ過ぎる台詞をわかりづらく書き直したりして、そういう作業とかやってみたいですね(笑)。

マイソン:
すごい!!ぜひやってみてください!役者からキャリアをスタートされましたが、役者になろうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

映画『東京リベンジャーズ』堀家一希さんインタビュー

堀家一希さん:
役者になろうと思ったというか、母がこの事務所のオーディションを見つけてくれて、受かったのをきっかけに高校1年生からレッスンを始めました。

マイソン:
当時は役者がどんな仕事かを意識するより、オーディションを1回受けてみようという感じだったんですか?

堀家一希さん:
そうですね。そこまで明確にわかっていなかったんですけど、人を笑わせたり、目立つのが好きだったので、こういう仕事をやってみたいなという思いはありました。僕がずっとやりたいと言っていたので、たぶんそれが母に伝わって機会を見つけてくれたんだと思います。

マイソン:
素敵です。ではちょっと話題が変わるのですが、噂では若い方の中には映画を早送りで観たり、複数同時に観たりされる方がいると聞きました。堀家さんは身近なところで同世代の方の映画の観方の違いを感じたりすることはありますか?

堀家一希さん:
映画の観方の違いというか、スマホで観られるようになったというのが大きいと思います。動画配信ならいつでも止められて、また好きなところからいつでも観られるし、YouTubeなどで観られる動画は大体5〜6分で終わるので、1時間半、2時間の映画を観る集中力がなくなってしまうということもありえるのかなと思います。それは僕がとやかく言えたことではないのですが、本当におもしろいものだけは通して観て欲しいなと思います。

映画『東京リベンジャーズ』堀家一希さんインタビュー

マイソン:
そうですよね。堀家さんは、映画は映画館で観て欲しい派ですか?

堀家一希さん:
やっぱり音とかの迫力も全然違いますし、映画館で観て欲しいです。

マイソン:
堀家さんご自身は普段映画館に1人で行きますか?それともどなたかと一緒に観るほうですか?

堀家一希さん:
僕は大体1人です。誰かと行くと集中できないんですよ。

マイソン:
わかります!一方で他の観客の方との一体感を感じられるのも魅力ですよね。

堀家一希さん:
そういうのもありますね。お笑いとかもお客さんありきだと思うんです。だからそういう雰囲気も大事だなって思います。

マイソン:
あと、「この映画はすごかった!」ってなると、映画館を出る時に自分が違う人になったような感覚ってありませんか?

堀家一希さん:
それすごくわかります!僕はそうなるタイプです。景色が全然違うんですよね。気付けなかった小さいことに気付けるというか、全く視野が変わるからそういうのも楽しいです。

映画『東京リベンジャーズ』堀家一希さんインタビュー

マイソン:
『東京リベンジャーズ』を観た後もまさにそんな感じになる方がいるんじゃないかと思います。特に男性だと映画館から出てきた時に態度が違ってそうなくらい、「やってやるぞ!」みたいな感じになりそうですよね。劇場の出口で待ち構えて観察したらおもしろいかもと思います(笑)。

堀家一希さん:
それ良いですよね。映画を観終わった後、待ち構えておきますかね。特攻服を着て(笑)。

マイソン:
待ちかまえているほうも出てきたお客さんもテンション上がりそうですね(笑)!では最後の質問でこれまでいち観客として、大きな影響を受けた映画、もしくは俳優、監督がいたら教えてください。

堀家一希さん:
ロビン・ウィリアムズが1番好きです。お芝居に奥行きがあるというか、人間力というか、動きにしろ、言葉にしろ、目にしろ、その人物の背景が見えるというか、そういうお芝居が大好きです。影響を受けたというのも変ですけど、お芝居ってやっぱり楽しいなって原点回帰できます。

マイソン:
本日はありがとうございました!

2021年6月15日取材 PHOTO&TEXT by Myson

映画『東京リベンジャーズ』北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/間宮祥太朗/吉沢亮

『東京リベンジャーズ』
2021年7月9日より全国公開
監督:英勉
出演:北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/間宮祥太朗/堀家一希/吉沢亮
配給:ワーナー・ブラザース映画

パッとしない毎日を送っていたタケミチは、高校生の頃に交際していた人生唯一の彼女ヒナが事故に巻き込まれて亡くなったというニュースをテレビで目にする。そんなある日、タケミチは不良だった高校時代に突如タイプリープしてしまい…。

公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会


『東京リベンジャーズ』シリーズ1作目

ブルーレイ&DVDレンタル・発売中/デジタル配信中
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

Amazon Prime Videoで観る

U-NEXTで実写やアニメ『東京リベンジャーズ』を観る

ギャラクシーコミックで漫画「東京卍リベンジャーズ」を読む

コミックシーモアで漫画「東京卍リベンジャーズ」を読む

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン ケナは韓国が嫌いで【レビュー】

自分の現状に違和感を持っていても、打破しようと行動を起こすのは…

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン 『ミッキー17』ポン・ジュノ監督登壇!ジャパンプレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『ミッキー17』ポン・ジュノ監督登壇!ジャパンプレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『35年目のラブレター』笑福亭鶴瓶/原田知世 35年目のラブレター【レビュー】

戦時中に生まれ、家庭の事情から小学校を卒業できないまま大人になった主人公と、彼を支えた妻の物語を描いた本作は、実在する西畑保氏…

映画『敵』長塚京三 長塚京三【ギャラリー/出演作一覧】

1945年7月6日生まれ。東京都生まれ。

映画『デビルズ・ゲーム』チャン・ドンユン/オ・デファン ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き29】2025年3月前半「気になる映画とオススメ映画」

今回は、第97回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞した『ANORA アノーラ』の話題からスタート。その他、ソダーバーグ監督のホラー、ニコラス・ケイジ最新作など、さまざまな作品を取り上げました。

映画『Playground/校庭』マヤ・ヴァンダービーク/ガンター・デュレ Playground/校庭【レビュー】

子ども達はいつも戦っていて、大人の世界とは異なる過酷な毎日を過ごしている…

映画『ワンダー 君は太陽』ジュリア・ロバーツ/ジェイコブ・トレンブレイ 学びが詰まった映画『ワンダー 君は太陽』【映画でSEL】

前記事で、商業映画とSEL(社会性と情動の学習)は相性がバッチリだと書きました。今回はこれぞ学べる映画と感じた作品を取り上げます。

映画『プレゼンス 存在』ルーシー・リュー プレゼンス 存在【レビュー】

スティーヴン・ソダーバーグが撮ったホラー映画ってどんな作品なのか…

【映画でSEL】複数子ども手を繋ぐ後ろ姿 SEL(社会性と情動の学習)における映画鑑賞のススメ【映画でSEL】

なぜ本サイトでSELを紹介するのか、少し私の話を書きます…

映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年2月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年2月】のアクセスランキングを発表!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ワンダー 君は太陽』ジュリア・ロバーツ/ジェイコブ・トレンブレイ
  2. 【映画でSEL】複数子ども手を繋ぐ後ろ姿
  3. 映画『インサイド・ヘッド2』

REVIEW

  1. 映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン
  2. 映画『35年目のラブレター』笑福亭鶴瓶/原田知世
  3. 映画『Playground/校庭』マヤ・ヴァンダービーク/ガンター・デュレ
  4. 映画『プレゼンス 存在』ルーシー・リュー
  5. 映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生

PRESENT

  1. 映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン
  2. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
  3. 「第6回大島渚賞」
PAGE TOP