大人気 WEB マンガを原作とした、愉快、痛快、爽快なアクション・コメディ映画『勇敢な市民』。今回は本作で悪役ハン・スガンを演じたイ・ジュニョンさんにお話を聞かせていただきました。劇中の怖い雰囲気とはガラリと変わり、穏やかで笑顔あふれるインタビューとなりました。また、ほとんどの質問に対して流暢な日本語で真摯に回答してくださいました。
<PROFILE>
イ・ジュニョン:ハン・スガン 役
1997年 1月22日生まれ。2014年5月、U-KISSの新メンバーとして加入。6月にリリースされたアルバムでデビュー。2017年、ドラマ『甘くない女たち~付岩洞の復讐者~』で俳優デビューを飾る。翌2018年、UNBとしてもデビューを果たす。2018年、ドラマ『別れが去った』での演技が評価され、MBC演技大賞で新人賞を受賞。2019年、UNBとしての活動が終了、2022年にはU-KISSでの活動を終え、2023年に日本公式ファンクラブをオープン。近年は、俳優として『D.P.-脱走兵追跡官-』『マスクガール』などの話題作に続けて出演。本作『勇敢な市民』では、悪役ハン・スガンを好演。
※前半は合同インタビュー、後半は独占インタビューです。
※合同インタビューは各媒体の質問をまとめた代表者による回答形式となっています。
ハン・スガンが瞬間ごとに見せる表情が、この映画に没入感を与えるポイント
記者:
人気WEB漫画が原作となっていますが、最初に原作や脚本を読んだ際に物語やハン・スガンというキャラクターにどんな印象を受けましたか?
イ・ジュニョンさん:
最初に台本を読んだ時はやハン・スガンが本当に悪い人物だと思いました。でも、このキャラクターを表現することができたら俳優としてとても良い挑戦になると感じました。
記者:
ジュニョンさんは『D.P. -脱走兵追跡官-』をはじめ、これまでも個性的なキャラクターを演じられてきました。本作に出演する決め手はどんな点でしたか?
イ・ジュニョンさん:
台本を読んだ時にハン・スガンの背景が描かれていなかった点に特に惹かれました。背景が描かれていないことで、観る方がハン・スガンをより理解できなくなると思いましたし、そこをアピールして演じたいと感じました。
記者:
なるほど〜。アクションシーンも多くあり、99.9%ご自身でアクションシーンをこなされたそうですが、事前にどんな準備をされたのでしょうか?
イ・ジュニョンさん:
代役なしで僕自身がアクションをこなすことは新しい挑戦でした。それから、ハン・スガンが瞬間ごとに見せる表情が、この映画に没入感を与えるポイントだと思ったので、なるべくアクションも自分で挑戦したいと考え、努力しました。実はケガをしたこともあったんです。アクションは3、4ヶ月ぐらい練習をして、息が合うように動きを覚えました。
記者:
本当に素晴らしいアクションシーンでした。ジュニョンさんご自身はハン・スガンをどのように表現したいとお考えでしたか?
イ・ジュニョンさん:
歩く姿さえも怖いと思われるように表現したいと思いました。撮影前に強めのジャンルの音楽を聴きながら散歩をしていたのですが、その姿を見た周りの方から「本当に怖い人なんだ」と言われたことがあり、それこそ成功だと思いました(笑)。
一同:
ハハハハハ(笑)。
記者:
悪役を演じる上で特に気をつけた点や監督とお話されたことはありますか?
イ・ジュニョンさん:
撮影外でスタッフの皆さんや他の俳優の方とお話する機会があった時に、監督から「今は話し方が少し優しいから、もう少し悪く話して」と言われたことがありました。そうやって監督が傍でずっと演出してくださったので、役により集中することができました。
記者:
ハン・スガンがいじめる時に舌を出す動きや、コンビニのシーンで窓に顔の絵を描くシーンなども印象的でした。そういった細かな演技は、ジュニョンさんの案だそうですが、どのようにアイデアが生まれたのでしょうか?
イ・ジュニョンさん:
ヘビというのはあまり良くない動物で、悪いものとして扱われることがあると思います。なので、それを使ってみたらおもしろいのではないか、ハン・スガンをより立体的な人物として見せることができるのではないかと思い、舌を使ってみました。そういったことを事前にいろいろと考えた上で現場で監督に相談させていただきました。
記者:
ご自身で提案されたことがたくさんあったんですね。敵対するソ・シミンを演じたシン・ヘソンさんと共演した感想を聞かせてください。
イ・ジュニョンさん:
シン・ヘソンさんは本当に一生懸命な方で、そのエネルギーに負けないように僕もすごく頑張りました。そのシナジーが映画にも反映されていると思います。機会があれば今度は別のジャンルの作品でご一緒してみたいです。
記者:
今回は学園が舞台でしたが、学校での撮影はいかがでしたか?
イ・ジュニョンさん:
僕自身、高校時代の思い出が少ないのですが、今回は撮影の大半が学校だったので、本当に高校生に戻り毎日登校しているような気持ちでした。
記者:
韓国ではすでに公開されていますが、周りの方や観客の反応で印象的なものがあれば教えてください。
イ・ジュニョンさん:
道を歩いている時に、学生の方から「悪いやつだ!」と言われたことがありました。それは俳優としては成功なのですが、今後悪役を演じるのはもうやめたほうがいいかなと思いました(笑)。それから俳優の先輩がこの作品を観て「ジュニョンの目が本当にすごかった!」と言ってくれ、すごく幸せでした。
記者:
本当に素晴らしい演技でした。ではこれから本作をご覧になる方に向けてメッセージをお願いします。
イ・ジュニョンさん:
ハン・スガンというよりも、いじめられている方の視点でこの作品を観ると、ハン・スガンの悪い行動や仕草に集中できると思います。そういう視点でこの作品を観るとスッキリ爽快です。僕はこの作品でアクションを本当に頑張りました。それから僕の悪い表情も楽しめると思います。ぜひ期待してご覧ください!
自分がどんどん成長することを感じておもしろいと思いました
シャミ:
もしもご自身の傍にハン・スガンのような人がいたら、ジュニョンさんはどのように接すると思いますか?
イ・ジュニョンさん:
映画を観て僕自身も考えたことがありますが、昔の自分だったら怖くて静かに見ていたと思います。でも、今はその時から変化しているので、「君がしていることは悪いことだよ」と言うと思います。
シャミ:
勇敢ですね!本作ではかなりストイックに役と向き合われたことが伺えたのですが、他の作品を含め、役作りをする際にいつも心掛けていることや、意識されていることは何かありますか?
イ・ジュニョンさん:
僕は台本にかなり忠実に演じるほうなんです。もちろん自分で考えることもありますが、すべての答えは台本の中にあると思っているので台本をもとに準備するようにしています。ただ時には共演者同士で「これはこんな感じでやったほうがいいかな?」などと、気軽に相談することもあります。
シャミ:
なるほど〜。では、ジュニョンさんご自身のお話も伺わせてください。アイドルとして活躍された経歴もお持ちですが、最初に俳優のお仕事に興味を持ったのはいつ頃だったのでしょうか?
イ・ジュニョンさん:
2014年頃ですね。あるミュージックビデオの撮影をした時に、他のメンバーよりも僕だけ時間がかかっていたんです。それが悔しかったので、練習室で鏡を見ながら表情や演技の練習を頑張りました。その時に自分がどんどん成長することを感じておもしろいと思ったんです。それでセリフも覚えて演技をしたら楽しいかもしれないと思い、俳優のお仕事に興味を持ちました。その後も練習を重ねて今のイ・ジュニョンになりました。
シャミ:
最初から演技が得意だったわけではなかったんですね!?
イ・ジュニョンさん:
はい。昔は僕が俳優になることは絶対にないと思っていました。でも、アイドル活動中に演技と出会うことができて本当に良かったと思いますし、今の僕にとっては本当に大切なものです。
シャミ:
運命の出会いだったんですね。
イ・ジュニョンさん:
そうです!
シャミ:
アイドル経験が俳優のお仕事をする上で活かされていると感じる部分は何かありますか?
イ・ジュニョンさん:
どちらも別物という感じなのであまりないです。アイドルの時は寂しいと感じたことがなかったのですが、俳優のお仕事の場合1人で準備をする時間がたくさんあるので、その部分が1番の違いだと思います。お客様の前に立つことは変わらず同じですが、それ以外は違うことのほうが多いと思います。
シャミ:
映画やドラマ、ミュージカルなど本当に多岐に渡って活躍されていますが、今後新しく挑戦してみたいことや俳優としての目標は何かありますか?
イ・ジュニョンさん:
俳優としての目標は、もっと人間味のあふれる俳優になることです。皆さんが構えずにリラックスして観られるような俳優になりたいです。
シャミ:
今回は悪役でしたが、今後挑戦してみたい役や出演してみたいジャンルの作品は何かありますか?
イ・ジュニョンさん:
僕のファンの皆さんからは、時代劇に出演する姿を観てみたいとよく言われます。なので、もし機会があれば挑戦したい第1位が時代劇です。
シャミ:
ぜひ観てみたいです!では最後の質問です。これまでで1番影響を受けた作品、もしくは俳優や監督など人物がいらっしゃったら教えてください。
イ・ジュニョンさん:
『D.P. -脱走兵追跡官-』のハン・ジュニ監督です。監督と出会う前後での演技の価値観が本当に変わりました。僕にとって本当に父親のような存在です。
シャミ:
本日はありがとうございました!
2024年11月29日取材 TEXT by Shamy
『勇敢な市民』
2025年1月17日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
PG-12
監督:パク・ジンピョ
出演:シン・ヘソン/イ・ジュニョン/パク・ジョンウ/パク・ヒョックォン/チャ・チョンファ
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
非正規雇用の女性教員ソ・シミンが勤める高校は、セレブの息子である生徒スガンの暴力に支配されていた。シミンは正規雇用を勝ち取るために、極力トラブルを避けて過ごすよう心掛けていた。しかし、いじめのターゲットとなった生徒とその家族にまで及ぶ暴力を知った時、シミンは猫のマスクで正体を隠してスガンに立ち向かい…。
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情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。