マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック、ジョディ・カマーら豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』が、日米同日の10月15日より公開となります。先日、第78回ヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品された本作が、現地時間9月10日にワールドプレミアを実施。記者会見には、マット・デイモン、ベン・アフレック、ジョディ・カマー、脚本家のニコール・ホロフセナー、そしてリドリー・スコット監督が出席しました。
本作は、史実として未だに真相不明なフランス最後の決闘裁判を、事件を告発した被害者(ジョディ・カマー)、被害者マルグリットの夫(マット・デイモン)、訴えられた容疑者(アダム・ドライバー)の、3つの視点で描く三幕構成になっており、すでに作品を観た記者達からのさまざまな質問に回答しました。原作の映画化を検討したマット・デイモンは、「読んですぐにリドリー・スコット監督のことが頭に浮かんだ。リドリー以外にこの時代のものを上手く表現できる監督はいないんじゃないかと思ったんだ」と語り、マットから連絡をもらったリドリーは、「マットが取り憑かれたように『羅生門』の話をしていたんだよ。1つの行為が3つの視点で語られることをね。私がこの作品に惹きつけられたのはそれが理由だ」と明かしました。さらに、ベン・アフレックは「マルグリットのキャラクターに惹かれたんだ。勇敢でとても強く、危険を覚悟で正義を行おうとしている。観ている人に共感が生まれて欲しい物語だし、私達も違った見方が必要だということを思い起こさせることができればと願っている」と語りました。
マルグリットを演じ、積極的に脚本会議にも参加したというジョディ・カマーは、「脚本では3つのシーンで3つの同じセリフが書かれているけれど、すべてはそれをどう演じるかにかかっているの。微妙なニュアンスや表現の違いを観客の皆さんに感じ取って欲しいわ。私は同じセリフを言う、それを相手が全く違う態度で受け止める。それがこの3人(マット・デイモン、ベン・アフレック、ニコール・ホロフセナー)の脚本家達がこの映画にもたらした力だと思う」と語りました。マルグリットの脚本パートを担当したニコールは、「マルグリットの身に降りかかったことは、今でもどこかで誰かが経験をしているものだと思う。でも、私はそういう風には書きたくなかった。私が書こうとしたのは、彼女が経験したようなことが身の上に起こったとしても、人間ならどう行動するかということなの」と話しました。
そして、会見が終盤に差し掛かった頃にある議論が白熱!ここからは会話形式でご紹介します。
記者:第二幕と第三幕の暴力の表現にさほどの違いを見出せなかった。
監督:君は本当に映画を観たのかね?
ベン:それら2つは違う。同じ暴力を描いているが、アダム・ドライバーが演じたル・グリの視点が違うんだ。それははっきりしている。
(さらにマットも参戦し、マイクを奪い合うように議論がヒートアップ)
マット:騎士の世界で生きるル・グリには理解できないことが表現されている。
ベン:そう、観客はそれが理解できるが、ル・グリにはそれがわからないんだ。
マット:観客は理解していて、それがわかっていないのはル・グリだけなんだ。それがあのシーンの考え方だ。
ニコール:ル・グリの視点では、マルグリットが誘っているように映っている。
マット:それこそもう1つの見方というやつだよね。
ベン:真実はこうではないかと思われている中で、もう1人の人間が同じシーンを別の物語として語っているんだ。
マット:マルグリットがそれをどう感じていたかも、また別の視点だ。
監督:(撮影や演出による細かな違いを解説した後に)もう一度映画を観たまえ!
このようなやり取りがあり、 会見は終了となりました。
続くレッドカーペットでは、多くのゲストやマスコミ、沿道のファンからの大歓声に包まれるなか、世界中から集まった多くのスチールカメラマンの要望に応え、マット・デイモンとベン・アフレック、そしてシックな黒のドレスに身を包んだジョディ・カマー、リドリー・スコット監督が明るい笑顔を見せました。
1386年、百年戦争さなかに実際に執り行われたフランス史上最後の“決闘裁判”は、600年以上経った今もなおこの“決闘裁判”における判決が歴史家達の間で物議を醸している、世紀を越えたスキャンダルです。“本当に裁かれるべきは一体誰なのか?ぜひ本作をご覧ください。
『最後の決闘裁判』
2021年10月15日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
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