映画『キャッツ』来日ジャパンプレミア:フランチェスカ・ヘイワード(ヴィクトリア役)、トム・フーパー(監督)、デブラ・ヘイワード(プロデューサー)/【日本語吹き替え版】葵わかな、山崎育三郎、高橋あず美、秋山竜次、大貫勇輔、大竹しのぶ、蔦谷好位置(音楽プロデューサー)
日本での劇場公開目前となる2020年1月22日 、本作を監督したトム・フーパー、主人公ヴィクトリア役を演じたフランチェスカ・ヘイワード、プロデューサーのデブラ・ヘイワードが来日し、日本語版吹き替えキャスト達とともにジャパンプレミアを行いました。
トム・フーパー監督は「“キャッツ”を映画化するのは自分の夢でした。初めて出会ったのは8歳の時。本当にすぐに惚れ込んだ作品で、大きなスクリーンで観てもらいたいと思って作った作品ですので、ぜひ映画館で観て頂きたいです」と挨拶。
ヴィクトリア役の声を担当した葵わかなは、「“キャッツ”という作品はミュージカルとして日本でも根強い人気のある作品だと思います。まず自分が一番驚いたのは“キャッツ”を映画化するんだってことでした。どんな風になるのか、オーディションの話を頂いた時には本当に想像がつかなかったんですけど、ヴィクトリア役を演じることができて嬉しかったですし、本当にハイレベルのキャストさん達が集まって、ダンスをしたり歌われたりしている映画なので、声だけでも本当に参加できて嬉しかったです。日本のお客様に観て頂くとまた伝わるものがあるんじゃないかなととても楽しみにしています」とコメントしました。
ミュージカル界で長らく活躍してきた山崎育三郎(本作ではマンカストラップ役)は、トム・フーパー監督に初めて会った感想を聞かれると、「トム・フーパー監督の作品が大好きで、特に『レ・ミゼラブル』は、僕もマリウスという役でずっと日本のミュージカルの舞台で立たせて頂いていて、それが映画化されたのを観た時に、こんな表現があるんだと思って感動して、何度も何度も観ました。今日監督にお会いして、直接その思いも伝えさせて頂き、写真もどさくさに紛れて撮らせて頂きまして、もう感無量です」と話しました。
ロバートの秋山(バストファージョーンズ役)も、来日した監督達に会った感想を聞かれると、「監督は身長も大きいし、僕はいろいろな監督を見てきた中で、監督は一番優しい目をしていますね。こんな優しい目をした監督はいないから、だからこんなに素敵な作品ができたんじゃないかなと思ってて、はい。あとプロデューサーさんもゴージャスだしね、イエイ、ゴージャス!ね〜ダイナマイトな感じで。(プロデューサーに向かって)秋山と申します。イエイ、レッツ・ダンス」と、直接プロデューサーに売り込みました(笑)。そして、秋山はフォトセッションでは“猫”になって撮影に挑んでました(笑)。
ジェニファー・ハドソンが演じるグリザベラ役の吹き替えを担当した高橋あず美は、アフレコを終えてみての感想を聞かれると、「私は“メモリー”という映画の中で大切になってくる曲を歌わせてもらっているんですが、ジェニファー・ハドソンさんが大好きで、彼女の“メモリー”を聞いた時に、これはどうしようってまず思いました。本当に素晴らしい歌を歌われる方で、ソウルもありパワーもあり、本当にいろんな感情にさせてくれる歌を歌われるので、その部分を失わないように日本語に乗せて歌うということにすごく苦労しながら、絶妙なバランスでソウルフルに日本語で熱いものを伝えることに特化して歌いました」と振り返りました。
大貫勇輔は、「スキンブルシャンクスは、鉄道が好きな猫で、タップを踏みながら踊るシーンやバレエっぽい動きもあって、実際僕も頭にマイクを付けて録音したんですけど、実際にオリジナルキャストの動きに合わせながら録りました。一緒に動くと息づかいも入るので、その辺は蔦谷さんと一緒に教えて頂きながら録音できて楽しかったなというのと共に、録り終わった時に寂しさもありました」と話しました。
大竹しのぶは、「尊敬するジュディ・デンチで、この中(舞台に立っているメンバー)では長老なんですけど、ジュディ・デンチと(実年齢が)20歳くらい違うので一言ひと言の深さを出すのに苦労しました。でも、ジュディの演技を観ていて、お会いしたことはないんですけど、近づけたような気がして、大貫さんがおっしゃったように終わるのが寂しかったです」とコメントしました。
吹き替え版はドイツと日本しか許されていないという件について、日本語吹替え版音楽プロデューサーの蔦谷好位置は、「非常に光栄なことだったと同時に最初にプレッシャーがすごかったです。作品をラフな段階で観させて頂いた時に、果たしてこれは日本語で可能なんだろうかという不安もあったんですが、本当に素晴らしいボイスキャストの皆さんのおかげで、本国版と遜色のない、誇れるものができたと思っています。録音と編集をやっている間に、監督の細部に至るまでのこだわりがものすごく伝わってきて、日本語版にした時に絶対そこを損なわないようにいかに正確に監督のメッセージを伝えられるかというところを、僕等スタッフも最後まで頑張ったので、ぜひ注目して観て頂ければと思います」と日本語吹き替え版への自信を見せました。
トム・フーパー監督は今の気持ちを聞かれると「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。日本は自分にとっての2つ目のホーム、スピリチュアルなホームだと感じている場所だからです。日本の方々ならば、その素晴らしいそれぞれの芸術性、細心の心遣いを持って、日本語のバージョンを作ってくださると確信しておりましたが、今蔦谷プロデューサーがおっしゃってくださった自分の作品についての言葉にとても感動しました。アリガトウゴザイマス。また、マリウスを7年間演じた方(山崎育三郎)と隣りに立っているわけですが、とても居心地が良いです。同じようにミュージカルに対して情熱を持っている方々の中にいられるから。“キャッツ”という作品は8歳の時に、両親に連れて行ってもらって本当に一目惚れした作品です。映画化しようと思ったのは『レ・ミゼラブル』の映画版を作り終えた頃でした。8歳の頃の自分の体験があったので、8歳の頃の自分のために一部作ったところのある作品です。ですので、5歳から85歳までファミリーで、年齢に関わらず楽しんで頂きたいと思って作りました」と熱く語りました。
主演のフランチェスカは注目して欲しいところを聞かれると、「一見楽しいエンタテインメントのようで、たくさんの深いテーマ、メッセージが込められた素晴らしいストーリーだと思うんです。愛、許し、寛容の心、第二のチャンス、人生の再生といった非常に普遍的な誰の心にも響く共感的なテーマがたくさん詰まっている、そういった点にも注目して観て頂きたいと思います。自分自身も子どもの頃にこのミュージカルを観て、すごく刺激を受けて、すっかりヴィクトリアに惚れ込んで、この役を映画で演じるという数奇な運命もあるんですけれど、私が子どもの頃にインスピレーションを受けたのと同じように、私が演じる映画版を観て、次世代の子ども達がまたこうやって共感を覚えたり、インスピレーションを得たりして、大きな夢を見るようになってくれたら嬉しいです。そして、もちろん映画版として、全く新しい形で“キャッツ”を描き直してくれたトム・フーパー監督に本当に心からお礼を言いたいと思います」と話しました。
皆さんのお話から、オリジナル版(字幕版)も日本語吹き替え版も力作だということがヒシヒシと伝わってきました。両方を観て、それぞれの魅力を堪能するのもアリですね。歌はもちろん、映像も美しく、ダンスにも見入ってしまうはずなので、音響の良い環境の大きなスクリーンでぜひ観てください。
映画『キャッツ』来日ジャパンプレミア:
2020年1月22日取材 PHOTO&TEXT by Myson
『キャッツ』
2020年1月24日より全国公開
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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