Monthly Archives: 5月 2018

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映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース

映画業界人インタビューVol.1 ギャガ株式会社 映画宣伝部 宣伝プロデューサー 竹本誠吾さん【後編】

前回に引き続き、ギャガ株式会社、宣伝プロデューサーの竹本さんのインタビューをお届けします。インタビューを担当したのは、エージェントのらいらいとサンです。

 

宣伝方法に正解はない。だから楽しい

らいらい:年間どのくらい映画を観られるんですか?

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース

竹本さん:昔は結構観てました。毎週土日に2、3本はしごしたりとか。多い時では、劇場鑑賞とビデオ鑑賞合わせて200本くらいは観てたと思います。今は子どもが小さいので、やや劇場での観賞機会は減りましたが、宣伝に紐づくものを観ますね。今僕が担当している『ホース・ソルジャー』は戦争映画なので、最近はいろいろな戦争映画を観なおしました。作品だけでなく、どんな風に宣伝してたのかなってチラシ予告も研究したりします。

らいらい:お仕事相手の方と、よく映画のお話はされるんですか?

竹本さん:人にもよりますが、やっぱり今公開している作品については詳しく話しますし、それに紐づく旧作の話はしますよ。あとは飲み会とかで好きな映画の話になることもありますが、好きな映画っていっても、答えるのが意外に難しいんです。基本どんな映画も好きなので。そういう点では自分のイメージも持ってもらう意味で、好きな映画は『ロッキー』って言ってます。会社でもよく『ロッキー』のTシャツを着てるんですけど、「ぽいでしょ?」って感じになるから(笑)。

サン:映画宣伝の仕事をしていて良かったと思える瞬間は何ですか?

竹本さん:ありがちですけど、自分が宣伝している作品がヒットすることです。達成感という意味では、設定した目標が達成できたとき、プランしたプロモーションが形になったときは嬉しいです。映画の宣伝は劇場公開日に向けて、宣伝をしていきます。その過程で、例えば雑誌なんかに掲載をお願いして載せてもらって、そこでちゃんと映画の内容が語られて、お客さんに届けられるきっかけを作れたりすると、良かったなと思います。ポスターや邦題など、「こう伝えたいから、こうしたい」と思ったものが採用されるのも、もちろん嬉しいです。映画を人に届けるにあたって、配給宣伝は映画の中身は作ってないけど、フィルムメイカーの意思を尊重し相談しながら、伝える内容を噛み砕いたり、何かプラスオンができたり、それが形になっていくのも嬉しいです。時に世の中の反応によって、凹むこともあるけれど、人によっていろいろな考え方があるので、それを受け入れながらやるのはやり甲斐があります。扱っている商材が楽しいものだからっていうのもあるかも知れません。

らいらい:宣伝する際に映画を観て、個人的におもしろくないと感じた作品でも宣伝しなければならないと思うんですが、そういう時はどうやってモチベーションを維持されるんですか?

竹本さん:宣伝って「宜しく伝える」ことかなと思っています。どんな映画にも良いところは必ずあるので、それを見つけて、膨らませてあげるのも、楽しい作業です。ある人がおもしろそうじゃないと感じても、別のある人はおもしろそうと感じるかも知れない。おもしろそうと思ってくれる人に一人でも多く伝えることが良いと思うので、つまらない、嫌だということはありません。ただジャンルの得意不得手みたいなのはあると思います。

らいらい:ご自身の好き嫌いは介入させないんですね。

竹本さん:そうですね。宣伝は映画を広めていく過程ですし、その過程は一通りしかないってことではないと思います。宣伝とは、フィルムメイカーの想いをくみ取りながら、観てもらうべき人を想像(あるいは創造)し、形にして伝えていく仕事かと。映画が公開したとき、観客の数が一人でも多くなるよう選択しながら進めていますが、最終的には蓋を開けてみないとわからないところもあります。確かに好みの映画なら自分=観客と想像しやすいことはあります。ただ映画にはいろいろな考え方や見方があって然るべきなので、それすらそれだけが正解とも限らない。どんなお客さんにどう届けるかを提示する仕事として、やり甲斐がありますし、日々難しいとも感じます。

今回の記事担当:らいらい
■取材しての感想
映画宣伝について語る竹本さんの表情がとても楽しそうだったのが印象的でした。その表情は“好き”を仕事にされているからこそなのだと思いました。映画宣伝の魅力が大いに伝わってくる時間でした。ありがとうございました。

取材日:2018年5月10日

【前編へ戻る】

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース/マイケル・シャノン/マイケル・ペーニャ/トレバンテ・ローズ/ロブ・リグル/ウィリアム・フィクトナー★竹本さんがご担当の映画
『ホース・ソルジャー』
好評劇場公開中
公式サイト
監督:ニコライ・フルシー 製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:クリス・ヘムズワース/マイケル・シャノン/マイケル・ペーニャ/トレバンテ・ローズ/ロブ・リグル/ウィリアム・フィクトナー/エルサ・パタキー
配給:ギャガ

これまで秘密にされてきた、9.11直後にあった衝撃の事実を映画化。敵勢5万人に対し、たった12人で戦いに挑んだ米軍騎馬隊の活躍を描く。アベンジャーズ“ソー”としてお馴染み人気俳優クリス・ヘムズワース主演、実妻との夫婦役での共演も話題になっている。

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース

© 2018 BY HS FILM, LLC.  ALL RIGHTS RESERVED.

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映画分野を中心に、紙媒体、WEB媒体の編集者、ライター歴は約25年(2024年11月現在)に及ぶ。また、大手教育系企業の紙媒体、WEB媒体でも約10年間、ディレクターとして従事した。
インタビューはハリウッドスターを含め、国内外の映画人はもちろん、宇宙飛行士や各分野の専門家、経営者、一般の方まで600名以上に取材経験あり。保有資格等は、認定心理士、キャリアコンサルタント/ビジネス著作権検定上級。
同志社大学文学部英文学科卒業。一般企業勤務を経て、2010年に株式会社TSトーキョーを起業(現職)。社会人学生として、武蔵野大学人間科学部人間科学科心理学専攻(通信制)3年編入にて卒業。その後、某大学院に進学、2024年現在は博士後期課程に在学中。研究専門分野は心理学と映画。資格の学校で臨床心理学の講師歴あり,某大学でアカデミックライティングの指導員も務める。


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映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース

映画業界人インタビューVol.1 ギャガ株式会社 映画宣伝部 宣伝プロデューサー 竹本誠吾さん【前編】

【映画業界の方にインタビュー】第1弾!今回から連載がスタートします。いろいろな職種の方に、普段は聞けないお話を聞いていきたいと思います。今回のインタビューは、エージェントのサンとらいらいが担当です。

 

音楽でも勉強でも恋愛でも、将来全部必ず活きてくる!

らいらい:この業界に入ろうと思ったのはいつ頃ですか?

竹本さん:中高生の時ですね。周りがファッション誌を読んでいるなか、「ロードショー」とか「SCREEN」を読んでいました。そうしているうちに、映画を扱う仕事って良いなと思って。洋画を観ることが好きだったせいか、映画を作りたいという発想より、素敵な作品を送り届ける配給に興味がわきました。映画に携わる仕事をしてみたいなって漠然と思いながら大学生になって、普通に就活をして、縁があってこの会社に入れました。

らいらい:宣伝の仕事を目指す学生に、何かアドバイスはありますか?

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース

竹本さんご担当作品『ホース・ソルジャー』

竹本さん:作品を好きであれ」ということですね。どんな作品も良いところがあるはずで、それを見つけ、どうやって伝えるかに宣伝の醍醐味を感じます。狙い通りの宣伝ができて、かつ多くの人が劇場で映画を観てくださった時は、本当にうれしい瞬間です。よく華やかですねと言われますが、華やかそうに見せるのが仕事なので、宣伝は裏方だと思ってます。

らいらい:邦画だったらエンドロールに名前が載るのが羨ましいです。

竹本さん:人によっては、いろいろな解釈があるんですよ。映像を作ったわけではないのに名前が載るのは気恥ずかしいっていう人もいれば、そこに無上の喜びを感じる人もいますしね。

らいらい:自分だったら絶対に嬉しいです(笑)!

サン:学生の頃にやっていて、今仕事で役に立っていることはありますか?

竹本さん:う〜ん、趣味でよく映画は観ていたのですが、あとはバイトも役立ちました。コンビニのバイトでしたが、いろんな雑誌とか、商品のキャンペーンとか、店頭には何でもあったので、情報はこうやって展開されるんだなって、自然と宣伝という仕事に興味がわきました。これは別にコンビニのバイトじゃなくても良くて、いろんなことがきっかけになって、それが知識になって役に立っているってことだと思います。映画って全部違うから、音楽でも勉強でも恋愛でも、何でも興味も持っていれば必ず活きてくるのではないでしょうか?だから、学生時代からの興味の延長が今に至っているかも知れないですね。それだけじゃだめだって思ったら、数字とかマーケティング手法とかは後から身につければ良いと思います。それも興味の延長ですけど。

サン:私は今三年生で、趣味の映画を仕事にすべきか悩んでいます。

竹本さん:よく言われていますよね。でも僕は仕事にしても良いと思いますよ。仕事で映画を扱うことになったから趣味で映画観なくなったとかはないですね。楽しい仕事は楽しいし、もし飽きて楽しめなくなっちゃったら、そこまで好きじゃなかったのかなって気付くと思います。やりたいことをやったほうが、就活でもうまくしゃべられると思いますし。

らいらい:今就活真っ最中なのですが、映画業界は募集が少ないですよね。

竹本さん:新卒はあまり採っていないですもんね。だけど、業界的には一つの映画村という感じなので、映画につながっている何らかのお仕事に関わっていたらいつかチャンスはあると思いますよ、何がきっかけになるかわからないですし。そもそも本当に映画業界で良いのかもわからないですし、扱いたい商材もさることながら、やりたい仕事、興味がある職能をもう一度考えてみるのも良いと思います。

今回の記事担当:サン
■取材しての感想
「やりたい商材ではなく、やりたいことをする」という言葉は、映画業界を目指すべきか悩んでいる私にとって、自分の将来を考える上での大きなヒントになりました。ありがとうございました!

取材日:2018年5月10日

トップバッターでご登場頂いた竹本さんのインタビューは、2回に渡ってお届けしますので、続きもお楽しみに。→【後編を読む】

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース/マイケル・シャノン/マイケル・ペーニャ/トレバンテ・ローズ/ロブ・リグル/ウィリアム・フィクトナー

★竹本さんがご担当の映画

『ホース・ソルジャー』
好評劇場公開中
公式サイト

監督:ニコライ・フルシー
出演:クリス・ヘムズワース/マイケル・シャノン/マイケル・ペーニャ/トレバンテ・ローズ/ロブ・リグル/ウィリアム・フィクトナー/エルサ・パタキー
配給:ギャガ

これまで秘密にされてきた、9.11直後にあった衝撃の事実を映画化。敵勢5万人に対し、たった12人で戦いに挑んだ米軍騎馬隊の活躍を描く。アベンジャーズ“ソー”としてお馴染み人気俳優クリス・ヘムズワース主演、実妻との夫婦役での共演も話題になっている。

映画『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワース/エルサ・パタキー

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トーキョー女子映画部主宰/学生映画宣伝局・局長。
映画分野を中心に、紙媒体、WEB媒体の編集者、ライター歴は約25年(2024年11月現在)に及ぶ。また、大手教育系企業の紙媒体、WEB媒体でも約10年間、ディレクターとして従事した。
インタビューはハリウッドスターを含め、国内外の映画人はもちろん、宇宙飛行士や各分野の専門家、経営者、一般の方まで600名以上に取材経験あり。保有資格等は、認定心理士、キャリアコンサルタント/ビジネス著作権検定上級。
同志社大学文学部英文学科卒業。一般企業勤務を経て、2010年に株式会社TSトーキョーを起業(現職)。社会人学生として、武蔵野大学人間科学部人間科学科心理学専攻(通信制)3年編入にて卒業。その後、某大学院に進学、2024年現在は博士後期課程に在学中。研究専門分野は心理学と映画。資格の学校で臨床心理学の講師歴あり,某大学でアカデミックライティングの指導員も務める。


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『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』宣伝体験まんがVol.1 _3

『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』宣伝体験まんがVol.1

現在好評発売&レンタル中の海外ドラマ『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』。宣伝を担当しているエージェント、“おこめとパン”が、自らの宣伝体験をまんがにしました。まずはVol.1をお届けします。

『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』宣伝体験まんがVol.1 _1

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『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』宣伝体験まんがVol.1 _3

『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』宣伝体験まんがVol.1 _4

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★まんが作:おこめとパン

 

 

海外ドラマ『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから シーズン1』マイロ・ヴィンティミリア/マンディ・ムーア/ジャスティン・ハートリー/クリッシー・メッツ/スターリング・K・ブラウンTHIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』
2018年2月21日発売&レンタル開始
公式サイト
製作総指揮・企画・脚本:ダン・フォーゲルマン
出演:マイロ・ヴィンティミリア/マンディ・ムーア/ジャスティン・ハートリー/クリッシー・メッツ/スターリング・K・ブラウン
日本語吹き替え版:高橋一生
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
© 2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

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