Monthly Archives: 8月 2018

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第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)最終審査員:佐藤公美/大九明子/佐藤信介/冨永昌敬/生田斗真

映画業界人インタビューVol.7 ぴあフィルムフェスティバル(PFF) ディレクター 荒木啓子さん【前編】

【映画業界の方にインタビュー】第7弾は、エージェントのらいらいと、ミミミが担当します。今回も2回に渡ってお届けします。

目標は、満員電車に乗らなくて良い生活(笑)

ミミミ:この業界に入ろうと思ったきっかけと、どういう経緯で入られたのかを教えてください。

荒木さん:ある女性の映画プロデューサーから、女性だけで映画を作りたいので、アシスタントプロデューサーになってくれないかと言われたんです。で、「良いですよ」って。その仕事をやっている時に、映画の現場に来た方が、PFFの方達とすごく親しくって、なぜだか「絶対PFFに向いてるから、紹介するから会いに行け」って言われたんです。それまで、ぴあフィルムフェスティバルに熱心に通っていたわけではありませんでしたが、好きな監督の石井聰亙(現在の名称:石井岳龍)って確かPFF出身だったなと思って、彼に会えるかもってことで。ってのは冗談です(笑)。

一同:ハハハハ。

荒木さん:それで会いに行ったら、一緒に仕事をやりましょうという話になって、2年後にディレクターになりませんかと言われて、今日に至ります。ディレクターというのは映画祭の役職の専門用語で、やっていることはプロデューサーなんです。企画運営して、構築していくっていう。完成形をイメージして具体的にしていくっていう仕事ですよね。

局長:こういう映画祭の仕事が最初からしたいという若者がいた場合、そこに直接入るって方法はあるんですか?

荒木さん:どんな仕事も入りたい人はすぐ入れると思いますよ。別に全然敷居は高くないと思います。残念ながら衰退産業ですから(笑)。

ミミミ:ビッグネームになるかは置いておいてってことですよね?

荒木さん:というか、それが想像した仕事と同じかどうか。自分に向いた仕事かどうかっていうのはすごくあると思いますけどね。仕事内容の具体的なイメージがないでしょ?

ミミミ:確かに。

荒木さん:映画の仕事をしたいって言ったときに、何がしたいのかって実はよくわかってなかったりするでしょ(笑)?何がしたいですか?

らいらい:私は映画宣伝がしたいと思っているんですけど。

荒木さん:映画宣伝ね、本当に人がいないから、今日からでも仕事はありますよ。

らいらい:ほんとですか!?

荒木さん:いっくらでもありますよ。それで食べていけるかは置いておいて、今日からでも手伝ってくださいっていう人はいっぱいいます。って、今日はそんなインタビューじゃないですね(笑)。

一同:(笑)。

ミミミ:アシスタントプロデューサーをやっていらっしゃった頃は、プロデューサーを目指してましたか?

荒木さん:いいえ(笑)。私は求められる所には断らず行くんです。知らない世界だし、誰かの助けになるならやってみよっかなと思って、入った感じです。

ミミミ:気の向くままという感じだったんですね(笑)。当時、何か目標はありましたか?

荒木さん:目標はありましたよ。満員電車に乗らなくて良い生活(笑)。

局長:そこは大事ですね(笑)。

一同:(笑)。

第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)最終審査員:佐藤公美/大九明子/佐藤信介/冨永昌敬/生田斗真

第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)最終審査員:佐藤公美/大九明子/佐藤信介/冨永昌敬/生田斗真

局長:実際にこのPFFで荒木さんがやってらっしゃるお仕事の内容って、ざっくり言うとどんなことなのでしょうか?

荒木さん:すべてです(笑)。ざっくり言うと、PFFはどうあるべきか、そのために何をするかを考えて、実行することですね。

局長:今回で40回目とのことですが、変化したことはありますか?

荒木さん:変化っていうのは、時代や社会状況と共に起きることなので、自ら変化させようって思うのではなく、今この時にはこれが必要だっていう風にやっていくことだと思います。たぶん、意図的に今年はこうだからこうしましょうってものではなくて、10年くらい前を振り返れば、変化がわかる、という感じですね。映画ってその時代に根ざしてないと全く魅力が無くて。でもそれを超えて、強い力を持つものだけが歴史的に残るわけで、私達が欲しいのは、普遍的な力を持つ映画なんですけど、そういう映画ってどんなものなのかなって考えながら、同時に今しかできないことは何なのか、今必要なことは何なのかを考えていきます。PFFは自主映画のために始まったんですが、昔は映研(映画研究会)っていうのがあったんですよ。噂によると、映画研究会は、大学、高校、中学にもあったんですが、60年代から80年代くらいまでは、映画を作ることは一つの活動としてすごくかっこ良かったんでしょうね。だから、皆8ミリフィルムで映画を作ろうとしていたわけで、あらゆる大学に、映画を作る、観る、あるいは上映するっていう映画研究会が山のようにあった中で、天才的って言われる人達が出てきたんです。そういう時代には「映画監督」はもう、かつてのように映画会社での雇用はなくなっていた、つまり「職業」としての保証はないのに、映画を作ることに夢中になっていた人がたくさんいました。ぴあという会社は、そういう映画研究会にいた大学生5人が作ったんです。

一同:そうなんですか!

荒木さん:そうなんですよ。彼等は自分達も映研で映画監督を目指してたけど、どうやらあまり才能がないらしいということで…(笑)。だけど、映画がすごく好きで、毎日でも映画が観たいと思っていた時に、最初に東京中の映画と演劇とコンサートのスケジュールが載っている「ぴあ」という雑誌を作りました。想像するのは難しいと思いますが、当時はインターネットもなくて、新聞にすごく小さく、何の映画がどこでやっているかが載っているくらいで、あとは映画館に直接電話して聞くしかなかった時代です。その時に、「ぴあ」という雑誌が爆発的にヒットして、つまり、大学生起業家として成功して、このお金をどうしましょうっていった時に、映画祭をやりたいと思ったわけです。そこで自分達が天才だと思っている映画監督の8ミリフィルムで撮った映画を、映画館でちゃんと上映して、ちゃんとそれを多くの人に見せたいと考えて、ここからどんどんデビューしていって欲しいという映画祭を始めたんです。それが今も続いていて、最初のスピリッツは全く変わっていません。それを絶対にぶらさないで、いわゆる大成功している“スター・ウォーズ”のような映画も、無名の学生が作った映画も完全に平等で、映画は映画、映画を作る人は皆同じだっていうベースがあるんです。ベースが変わらないところが、PFFがこれだけ続いてるっていうことで、こんな映画祭は世界中どこを探してもありません。

 

今回の記事担当:ミミミ
■取材しての感想
PFFに去年一般審査員として参加してみて、商業映画じゃない映画でもこれだけ力があり、見応えがあるのかと感動したのは忘れられません。今回荒木さんに取材をして、ノミネート作品を全部観た時のあの感動は、PFFの方の熱い映画への思いや地道に丁寧に選考をしていくという手間のかかったものが、生み出している要因でもあったのかと、とても胸が熱くなりました。大学生が裸一貫から立ち上げた“ぴあ”という会社、PFFという映画祭がこうして今もなお映画制作に情熱を注ぐ若い人達に受け継がれているというのは、とても素晴らしいことだとも思いますし、これからもずっと続いていって欲しいと思いました。今回は「新人発掘」という視点での映画の話を聞けたことはとても興味深く、一つの経験にもなりました。荒木さん、たくさんの有意義なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。私も「満員電車に乗らない生活」目指したいです(笑)。

取材日:2018年7月18日

 

「ぴあ」創設のお話から、PFFの成り立ちまでお聞きして、映画を直接作るわけではなくても、映画に携わる道はいろいろあるのだなと思いました。とても豪快で明るいお話ぶりが印象的な荒木さん。後編も荒木さん節が炸裂です。→【後編を読む】

 

★ 第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)★第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)

会期:2018年9月8日(土)~22日(土)※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ→こちら
公式サイト
学生当日券は500円!

■今までの主なPFFアワード入選監督
黒沢清、園子温、成島出、塚本晋也、橋口亮輔、中村義洋、佐藤信介、熊切和嘉、李相日、石井裕也など

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海外ドラマ『glee/グリー シーズン1』マシュー・モリソン/コーリー・モンテース/リー・ミッシェル/ジェーン・リンチ/ジェイマ・メイズ/ディアナ・アグロン

映画業界人インタビューVol.6 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 マーケティング本部 山本一成さん【後編】

名だたる監督とすごく近い距離で仕事をしているという実感も

おこめとパン:今までのお仕事で一番楽しかった事は何ですか?

海外ドラマ『glee/グリー シーズン1』マシュー・モリソン/コーリー・モンテース/リー・ミッシェル/ジェーン・リンチ/ジェイマ・メイズ/ディアナ・アグロン

『glee/グリー』 全シーズン好評発売中&レンタル中 ©2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

山本さん:自分が担当したものでいうと『glee/グリー』かな。

一同:お〜〜!

山本さん:映画じゃなくてごめんなさい(笑)。以前は劇場公開後の新作も担当してたんですけど、海外ドラマ担当に変わった時、初めてに近い担当作品が『glee/グリー』だったんです。知識も経験もほとんど無いから、自分がどこまでチャレンジできるか、ずっと突き詰めながら取り組みました。当然、周囲の協力があったからこそ結果が残せたのだと思うんですけど、やっぱり思い出深い作品です。担当していて楽しかったし、今でも好きな海外ドラマに『glee/グリー』を挙げてくださる方も多いですし。

一同:確かに。

おこめとパン:では、今やっていらっしゃるお仕事全般的にいうと、どんなところにやりがいを感じますか?

山本さん:自分が携わったものが世の中にあって、それに対して良くも悪くも反応を見られることかな(笑)。そういう反応を少しでも良くしようと志して取り組むので、すごく良い反応があると、やって良かったって思います。

おこめとパン:反応を見るのって、ちょっと怖いと思う時もありませんか(笑)?

山本さん:アハハハ(笑)。ありますけど、だからこそ毎回自分の経験を思い出して、ちゃんとベストの環境を作ろうと考えられるんじゃないかなって思います。どんどん作品がリリースされるので、経験が積めるんですよ。ここは映画配給の方達と違うところだと思いますが、映画のDVDだと、毎月3作品というペースで同時進行していたり、海外ドラマでも、ちょっとタイトルを絞っても、1人で月2本を担当する状況もあります。

一同:大変そう。

海外ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』スティーヴン・モイヤー/エイミー・アッカー/ナタリー・アリン・リンド/パーシー・ハインズ・ホワイト/ショーン・ティール/ジェイミー・チャン/ブレア・レッドフォード/エマ・デュモン/コビー・ベル

海外ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』

山本さん:あとは、ホームエンターテイメントのおもしろさみたいなものはあります。特に外資系だと、世界各国の中で自分達のレベルをすごく意識できるんです。他の国の成績をシェアされるので、改めて日本ってすごいって思います。他国はほとんどDVDレンタルがなくなっていますが、日本にはまだあって、だからこそすごくおもしろい。あとは、企画を立てて、説明して、承認をもらってっていう、本国(アメリカ)の人達とのやりとりもすごくおもしろいです。それに海外ドラマって、本国のもとのビジュアルから、日本用のビジュアルに変えることが多いんですが、大物監督の作品は、承認をもらうために本人まで話が行くこともあるんです。自分で直接プレゼンをするわけではないですけど、直接やりとりをしているんだって感覚があります。最近だと、新しい“X-MEN”のテレビシリーズで『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』という作品があるんですが、僕等がアメリカの本社に提出して、本社の人達がマーベル(“X-MEN”の著作元)にプレゼンして、承認をもらってくるんです。

一同:スゴい!!

海外ドラマ『X-ファイル 2018』ジリアン・アンダーソン

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン最新作『X-ファイル 2018』

山本さん:それって、嬉しくないですか!スピルバーグが携わる作品なら、彼まで話が届くんです。“X-ファイル”だって、クリス・カーターまで話が行ったりね。そう思うと、なんだかすごく距離が近く感じるし、自分の存在がグローバルに感じますよね(笑)

おこめとパン:次に皆さんにお聞きしているのですが、それほど好きではない作品を担当される場合、どういう風にモチベーションを持っていきますか?

山本さん:難しいですよね。でも、好きになる努力はします。でも、一旦自分の中で好きじゃないと認めます。やっぱり、コンテンツホルダーにいて、作品に携わる立場としては、そこって必ずつきまとうところなんです。でも、何か好きになるポイントを1つだけでも見つけて、まずそれをもう1から100くらいの好きに変えていく。それは職種柄ではあるんですけど、いろんな違う要素を足して、なるべく自分も含め何万人という方が好きになるように仕上げるという感じですかね。あと、基本的に嫌いって言わないです(笑)。

局長:ですよね(笑)。

山本さん:だから、いろいろな方と話すと、「毎回良いって言ってるよね」って言われますけどね(笑)。でも、その時に、推しのポイントを明確にしておくと「ここがやばいんです」って言えますから。

TAKE:逆に、「なぜ自分は好きじゃないんだろう?」を突き詰めていくのもアリですよね?

山本さん:アリだと思います。ただ、そういう場合も必ず客観的になるように注意しています。主観で、強く周りを動かせる方ももちろんいますが、僕はそういう能力は長けていないと思うので(笑)。

一同:いやいや(笑)。

山本さん:毎回自分の頭の中でいろいろな方の考え方を想像するし、その作品を自分が気に入った時も同じです。「すごく好き!」って愛情が溢れすぎちゃうと、絶対空回りするんです。好きだからこそ見えない部分もできちゃうのが一番ダメなので、何度もいろいろやってきた経験上、俯瞰して見たほうが良いなって思ってやっています。

一同:なるほど。

TAKE:それでは、最後にずっと好きな映画ナンバーワンは何ですか?

山本さん:ナンバーワンは、『ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア』です。男同士のロードムービーで、ドイツの映画なので文化の違いはありますが、自分としてはすごく感じることがありました。もっとわかりやすい作品でいえば、『君の名は。』にハマって、3回も観ちゃいました(笑)。スクリプトがしっかりしていて、自分が持ってないものに憧れるという感じで、音楽も良かったですしね。

一同:ありがとうございました!

今回の記事担当:おこめとパン
■取材しての感想
『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』の企画でお世話になった山本さんにインタビューさせて頂けたことが、すごく嬉しいです!企画中、迷っている私達にくださったご助言は、「こういう経験があったからなのか!」と感銘を受けるばかりでした。情熱を支える冷静さと、客観的に視点を変えることのできる姿勢はまさにプロフェッショナルです。何より、お仕事に対する自信がひしひしと伝わりました。単に「できる!」と思うのではなく、積み重ねてきた過程があってこそ自分を信じられる。それがすごく心強い存在になるんだと思いました。

取材日:2018年5月16日

【前編へ戻る】

 

★20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン 海外ドラマ最新作

海外ドラマ『X-ファイル 2018』デイビッド・ドゥカブニー/ジリアン・アンダーソン『X-ファイル 2018』
2018年7月18日よりDVD発売&レンタル中
公式サイト
製作総指揮:クリス・カーター
出演:デイビッド・ドゥカブニー/ジリアン・アンダーソン/ミッチ・ピレッジ
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

完全復活から2年。前作で世界記録を樹立した”X-ファイル”新シーズンが日本初上陸!FBI捜査官モルダーとスカリーが真実を求めて再び未解決事件に挑む、世界的メガヒット超常現象サスペンスの続編。
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 

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『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』がきっかけでできたご縁に感謝


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この講座は、映画ライター・編集者歴25年以上の講師マイソン(=局長)が、豊富な経験をもとに作成したUdemyのオンライン講座です。映画業界にはさまざまな仕事があるなかで、映画を広く紹介する立場で働きたい方にオススメの講座です。映画ライターの仕事の中でも、醍醐味を感じられるインタビューはどのように行われているのか。その実態を知りたい方はぜひ受講してみてください。カリキュラムはすべてオンラインで完結し、オンデマンドなのでマイペースで進められます。

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講師マイソンPROFILE

トーキョー女子映画部主宰/学生映画宣伝局・局長。
映画分野を中心に、紙媒体、WEB媒体の編集者、ライター歴は約25年(2024年11月現在)に及ぶ。また、大手教育系企業の紙媒体、WEB媒体でも約10年間、ディレクターとして従事した。
インタビューはハリウッドスターを含め、国内外の映画人はもちろん、宇宙飛行士や各分野の専門家、経営者、一般の方まで600名以上に取材経験あり。保有資格等は、認定心理士、キャリアコンサルタント/ビジネス著作権検定上級。
同志社大学文学部英文学科卒業。一般企業勤務を経て、2010年に株式会社TSトーキョーを起業(現職)。社会人学生として、武蔵野大学人間科学部人間科学科心理学専攻(通信制)3年編入にて卒業。その後、某大学院に進学、2024年現在は博士後期課程に在学中。研究専門分野は心理学と映画。資格の学校で臨床心理学の講師歴あり,某大学でアカデミックライティングの指導員も務める。


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映画業界の方にインタビュー:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 マーケティング本部 山本一成さん

映画業界人インタビューVol.6 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 マーケティング本部 山本一成さん【前編】

【映画業界の方にインタビュー】第6弾も、エージェントのおこめとパン、TAKEが担当。2人とも『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』の課題で、山本さんにお世話になったメンバーです。今回も2回に渡ってお届けします。

英語は絶対勉強しておいたほうが良い

TAKE:この業界に入ろうと思ったきっかけ、どういう経緯で今のお仕事に就いたか教えてください。

山本さん:映画や海外ドラマが好きで、中学時代からレンタル屋でDVDを借りて観るのがとても好きでした。映画館が近くになかったので、なかなか行けなかったんですが、漠然と映画業界に対して憧れはありました。なのに、大学卒業後はその道に進まずに、金融を学んで、実は一回銀行員になったんです(笑)。

一同:えええ(笑)!?

山本さん:ただ、金融の勉強はしていましたが、実際に働いてみると、やりたいこととは違うなと、ちょっと戸惑いがあり、銀行を辞めて広告代理店に入りました。その時に、自分が本当は何がやりたいんだろうと考えるようになりました。中途採用の場合、特に弊社のような外資系の会社は、25歳以上しか応募ができないんですよね。前の仕事に不満があったわけじゃないんですが、25歳になった時にたまたま、もともと気になっていた映画業界を受けてみようと思って、挑戦してみたんです。広告代理店にいた時に販促に携わっていたこともあり、経験を活かせるかなと思い、DVDなどの販売促進チームに応募して、意外にも受かったので、今に至ります(笑)。

TAKE:撮るほうに、興味はありませんでしたか?

海外ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』スティーヴン・モイヤー/エイミー・アッカー/ナタリー・アリン・リンド/パーシー・ハインズ・ホワイト/ショーン・ティール/ジェイミー・チャン/ブレア・レッドフォード/エマ・デュモン/コビー・ベル

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント最新作『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』

山本さん:撮るほうにも興味はありましたけど、能力がないと自覚していました。代理店にいた時にCM等を作ったりして、クリエイティブで本当におもしろかったんですけど、圧倒的に敵わないと思いました。これからそういう勉強するって選択肢もあると思いますが、僕には考えられなくて。だから、自分に何ができるかと考えると、ここだったら活かせるかもって、それが今やっている仕事に就いた理由だったりします。今の僕にとっては、既にあるものをどういう風に人に受け入れてもらって、ヒットさせるかを考えるのがすごく合っているんです。海外から入ってきたコンテンツを、文化の違いなども考慮しながら、どういう風に日本で展開しようかと考えるのは、すごくおもしろいし、だから外資系企業が合っているんだと思います。

TAKE:では、学生の頃にやっていて今仕事で役に立っている事はありますか?学生のうちにやっておいたほうが良い事は何ですか?

山本さん:ずっと実家の飲食店を手伝っていたので、その流れで大学でも飲食店で働いてたんですけど、周囲の状況を把握するとか、お客様からクレームがあったらちゃんと謝るとか(笑)、そういう基本的な事はそこで学びましたサークルやゼミなどで、それぞれ役割分担して、組織的に運営するという経験も役に立ちました。当時、僕は広報として貢献することが多かったですね。

TAKE:当時からそういう分野に興味がおありだったんですね。

山本さん:そうですね。サークルやゼミでは、アルバイトの範囲ではなかなかできないことに取り組むなかで、今の仕事の基本を学べたと思います。

局長:突然すごく生々しいことを聞くんですが(苦笑)、外資系だとTOEICの点数がかなり高くないと入れないですよね?

山本さん:いろいろなパターンがあって、僕の場合はTOEICの点数はあまり高くなかったですし、ここに入社した時は、販促担当だったので英語はあまり使わなかったんです。英語力が必要なのは、マーケティングやリーガル、ファイナンスなど、本国側と確認をする人達ですね。マーケティングに異動した後は必要になったので、TOEICで何点採れとは言われましたけど、実際はTOEICの点数より、英語でコミュニケーションできるか否かだから。文章は、今ではいろいろなツールがあって、比較的対応しやすいんですけど、直接面と向かって話す時や、電話の場合は、いかに円滑にコミュニケーションできるかが本当に重要なので、英語は学生のうちに絶対勉強しておいたほうが良いと思います。僕も学生時代に短期間でも留学しておけば良かったなって思いますもん。あと、自分としてはマーケティングをもうちょっと勉強しておけば良かったなと思いました。どの学部にいても良いんですけど、マーケティングの基礎をある程度知っていれば、僕のような仕事にはすごく役に立つと思います。

今回の記事担当:TAKE
■取材しての感想
実はタイミングとしては、この回が私の初めてのインタビューでした。山本さんとは『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』の課題で以前にお会いしていましたが、今回のようにお話をゆっくり伺う機会は初めてでした。映画業界についてのたくさんのエピソードを紹介して頂き、改めて自分の好きなことをお仕事にするというのは幸せだなと感じました!!

取材日:2018年5月16日

 

『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』に取り組む機会を与えてくださった山本さん。いつも学生の意見を尊重し、優しく見守りながら、伸び伸びとやらせて頂きました。今回のお話からも学生時代の経験の大切さを示してくださったのがわかります。→【後編を読む】

★20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン 海外ドラマ最新作

海外ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』スティーヴン・モイヤー/エイミー・アッカー/ナタリー・アリン・リンド/パーシー・ハインズ・ホワイト/ショーン・ティール/ジェイミー・チャン/ブレア・レッドフォード/エマ・デュモン/コビー・ベル『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』
2018年8月3日よりDVD発売&レンタル開始
公式サイト
製作総指揮:ブライアン・シンガー
出演:スティーヴン・モイヤー/エイミー・アッカー/ナタリー・アリン・リンド/パーシー・ハインズ・ホワイト
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

ウルヴァリン達、X-MENがいなくなった後の世界で、政府から迫害され、身を隠すミュータント達が奮闘するストーリー。一家が主人公という点でも、これまでの” X-MEN”シリーズと一線を画す。毎話、映画さながらのスケールで魅せる迫力のアクション大作。
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 

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『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』がきっかけでできたご縁に感謝


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講師マイソンPROFILE

トーキョー女子映画部主宰/学生映画宣伝局・局長。
映画分野を中心に、紙媒体、WEB媒体の編集者、ライター歴は約25年(2024年11月現在)に及ぶ。また、大手教育系企業の紙媒体、WEB媒体でも約10年間、ディレクターとして従事した。
インタビューはハリウッドスターを含め、国内外の映画人はもちろん、宇宙飛行士や各分野の専門家、経営者、一般の方まで600名以上に取材経験あり。保有資格等は、認定心理士、キャリアコンサルタント/ビジネス著作権検定上級。
同志社大学文学部英文学科卒業。一般企業勤務を経て、2010年に株式会社TSトーキョーを起業(現職)。社会人学生として、武蔵野大学人間科学部人間科学科心理学専攻(通信制)3年編入にて卒業。その後、某大学院に進学、2024年現在は博士後期課程に在学中。研究専門分野は心理学と映画。資格の学校で臨床心理学の講師歴あり,某大学でアカデミックライティングの指導員も務める。