賞レースとレッドカーペット by cosmos
Category : エージェントによるオリジナル企画 , 大学生・専門学校生
映画好きにもいろいろいますよね。中には「この俳優が好きだからこの映画を観る」とか「賞を獲ったからこの映画に興味を持つ」みたいな人も多いと思います。
そういう人はこの賞レースのシーズン、そわそわしていたんじゃないでしょうか?
私個人は実はあんまり賞には興味がありません。特にオスカー君とは趣味が合わないことが多いので、結果はあんまり気にしないようにしています。
でもやっぱり受賞した映画は大きな話題になるし、世界的な注目度が全く変わってくる。観る映画を選ぶうえで少なからず影響を受けていることは確かです。
それより私が好きなのは、レッドカーペットや授賞式会場でドレスアップしたセレブたちがしゃべったりセルフィー撮ったりしてるところを見ること!
役柄とは違うセレブの素の姿、美しいドレスの数々、意外な交友関係、偶然撮れてしまった奇跡の写真などなど、毎年話題に事欠きません!
ということで今日はエージェントのcosmosが賞レースとレッドカーペットについて語りまくっていきたいと思います。
まずは世界の有名映画賞とその特徴を、独断と偏見により説明していきます。
▼▼▼鉄板編▼▼▼
◎アカデミー賞
言わずと知れた映画界最高の名誉。1929年に開始した世界最古の映画賞です。この作品賞受賞作品はとりあえず毎年観に行く、みたいな人も多いのではないでしょうか。
傾向としては、社会的意義やメッセージ性の強い作品が受賞することが多いといえます。戦争や差別などの暗い歴史や隠れた事実を人々に伝えられる映画、つまり多くの人が観るべきだと判断された映画にこそ最高栄誉が与えられる。そんな印象を持っています。
ちなみに先ほどオスカー君と趣味が合わないと言いましたが、オスカーというのはこの賞の別名です。受賞者に手渡されるオスカー像を指していて、アメリカでは The Academy より The Oscar と呼ばれることのほうが多いぐらいです。
近年は黒人俳優の差別や性別格差の問題などが取りざたされていますが、賞を選出するアカデミー会員の構成を一新するなど様々な改革が行われている模様。
今年のアカデミー賞授賞式は2月24日、LAのドルビー・シアターにて行われました。クイーンによる圧巻のパフォーマンスに始まり、たくさんの名場面が生まれた素晴らしい式でしたね!
◎英国アカデミー賞
英国映画テレビ芸術アカデミー(British Academy of Film and Television Arts)が主催するアカデミー賞で、通称は BAFTA。今年の授賞式は2月10日にロイヤル・アルバート・ホールで行われました。
いわゆる「アカデミー賞の前哨戦」と呼ばれる賞であるとともに、イギリスないしはヨーロッパの映画産業に大きな影響を与える賞です。
個人的にイギリス映画が大好きなので、BAFTA はいつも特別な目で見てしまいます。
◎ゴールデン・グローブ賞
こちらも「アカデミー賞の前哨戦」の代名詞。1944年から続く賞で、今年の授賞式は1月6日に行われました。略称として GG なんて呼ばれることもあります。
アカデミー賞との大きな違いは部門の分け方だと言えます。ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門が分けられていて、作品賞、主演男優賞、主演女優賞の3つは2つの部門ごとにそれぞれ選出されます。
物語が魅力の作品や社会的意義の大きい作品なんかはドラマ部門に、芸術性が高い作品やとにかく観客が楽しみまくった作品なんかはミュージカル・コメディ部門に選ばれるわけです。
私は個人的にこの部門分けが大好きです。この2つの観点って映画を評価するときに生まれる全く別々の軸ですよね。分けて評価するのは大正解だと思います。
どの映画をどちらの部門に入れるかという点でもいろいろと考えさせられます。
例えば今年は『ボヘミアン・ラプソディ』がドラマ部門で作品賞と主演男優賞を受賞しました。ミュージカル・コメディ部門じゃないんですね。
音楽はもちろん素晴らしいけれども、クイーンの実話をいかにしてドラマチックな映画に変えたか、その点が評価されたということがこの部門分けから考察できます。
また映画部門とは別にテレビドラマ部門が設けられているのもゴールデン・グローブ賞の大きな特徴です。
外国のドラマってなかなか日本にいたら見ることがないですが、最近映画で見ないと思っていたらこの俳優さんドラマで活躍してたのか!みたいな発見があったりします。
▼▼▼番外編▼▼▼
◎カンヌ国際映画祭
世界三大映画祭の1つです。映画賞というより正確にはコンペティション部門のある映画祭という感じ。南フランスの都市、カンヌで毎年5月に行われます。
昨年は是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌの最高賞であるパルム・ドールを受賞したことで大きく話題になりましたね。
鉄板編で挙げた3つは基本的に英語作品が対象の賞で、それ以外の言語で制作された映画は外国語映画賞の選考対象となることがほとんどです。
対して国際映画祭においては、選考対象はすべての国のすべての言語で作られた映画に広まります。
日本の映画が世界的に有名な賞を獲るなんて誇らしいですよね…!
またカンヌには「ある視点部門」といって、若い監督の斬新な作品を選ぶ賞も別に設けられています。
サンダンス映画祭などもそうですが、革新的な発想や今までになかった映画を評価するこうした賞というのは映画界に新しい風を起こすための大事な火付け役です。
いわゆるところの“良い映画”とは違っていても、絶対に認められるべき作品というものは日々新たに生まれているのです。(誰目線)
◎トニー賞
ブロードウェイで上演される演劇・ミュージカル作品を対象とした賞。
映画関係なくない?って感じなのですが、映画界と演劇界の両方で活躍する俳優さんというのは意外とたくさんいます。昨年は『エンジェルス・イン・アメリカ』であのアンドリュー・ガーフィールドが演劇主演男優賞を受賞しました。
アンドリュー・ガーフィールドの『エンジェルス・イン・アメリカ』、これ実は私、ナショナル・シアター・ライブで観ました。
ナショナル・シアター・ライブというのは、イギリスで上演される演劇作品が世界に配信され、映画館でライブビューイングされるという画期的な試み。
現地に行かなくては観ることのできない至極の演劇作品を日本の映画館で観ることができるんです。
あまり知られていなくて非常にもったいないと思うので、映画好きの皆さん映画館好きの皆さん、ぜひぜひ一度観に行ってみてください。
話は変わりましたがこのトニー賞、授賞式の開会パフォーマンスが毎年毎年素晴らしいのです。
おすすめは2013年。映画『ゴーン・ガール』などにも出演している元子役で現ミュージカル俳優のニール・パトリック・ハリスがホストを務めています。
これは見るたびに鳥肌が立ちます。まじです。
あとは最近ミュージカル映画や音楽映画が流行していて、ミュージカル界で活躍している人がいつ映画に出てもおかしくない状況でもあります。
『ピッチ・パーフェクト』で有名なアナ・ケンドリックも13歳でトニー賞にノミネートされ、その後たくさんの映画に出演しています。
トニー賞と映画賞とを照らし合わせて見てみるといろいろ面白い発見があるのです。
▼▼▼レッドカーペット・授賞式での話題▼▼▼
授賞式の日は、セレブたちの素の姿を垣間見ることができます。
若手俳優だと初めてのレッドカーペットに舞い上がっていたり、尊敬する俳優たちと話すチャンスを窺っていたりしてかわいらしいのです。
ジェニファー・ローレンスがアカデミー賞授賞式で2年連続転んだりしたのも面白かったですね。俳優ファンならああいう意外な一面が見たくなってしまうものです。
またドレスルックにも注目が集まります。個人的に去年のアカデミー賞ではニコール・キッドマンとゼンデイヤがドタイプで、しばらく待ち受けにしていました。
今年はピンクのドレスが多くて、眺めているだけでハッピーな気持ちになりました。タキシード・ドレスなどの性別を超越した服装も素敵でした。
去年のGGではセクハラ撲滅を訴える Time’s Up を合言葉に、女優陣がほぼ全員黒のドレスで出席するという珍しい光景もありましたね。
授賞式の後に流れてくる写真を漁るのも楽しみの1つです。世界のメディアの注目の的ですから、自分の好きな俳優のドレスアップした姿は世界中のカメラによっていろんな角度からとらえています。最高です。
最近では俳優たちが自身のSNSで授賞式の様子をupしてくれたりもするのでよりいろんな写真が楽しめますね。各賞の公式アカウントも必見です。
共演していなくても多くの俳優が一堂に会す授賞式では、貴重なコラボもたくさん見ることができます!数年前には名司会者のエレンが撮ったセルフィーが豪華すぎると話題になったりもしましたよね。
余談ですが、先日のGGではなんと俳優よりも、フィジー・ウォーター・ガールと呼ばれる女性に注目が集まりました。いろんなセレブの写真にFIJIの水を持ったキャンペーンガールがバチバチに映り込んでいたのでした。めちゃくちゃ面白いのでぜひググってみてください。こういう珍事も起こるんですね。
というわけで好き勝手に映画賞とレッドカーペットの話をしてきましたが、それぞれの映画賞の雰囲気と楽しみ方を知っていただけたなら嬉しいです。映画を観るだけじゃなく、作ってるスタッフキャストのことをもっと知りたい!と思ったそこのあなた!ぜひ映画の賞レースに注目してみてください。すでに賞レースが大好きなあなた!今はアカデミー賞の余韻に存分に浸りましょう。それでは。
TEXT by cosmos