映画業界人インタビューVol.3 リージェンツ 映画買付 小田寛子さん【前編】
Category : 映画業界人インタビュー , 劇場映画 , 大学生・専門学校生
【映画業界の方にインタビュー】第3弾は、エージェントのTAKEが単独で担当しました。2回に渡ってお届けします。
そもそも映画買付って、どんな仕事?
TAKE:お仕事の具体的な内容を、教えてください。
小田さん:海外にある映画のセールス会社とメールでやりとりをして作品情報を収集したり、年に何回かある映画祭(カンヌ国際映画祭など)に付随しているマーケットで商談をして、映画を買い付ける仕事です。映画祭では、本編映像を見せて頂くこともあります。会社によっては、国内で組むパートナー企業を見つけたり、映画を買った後に宣材の許諾を取ったり、キャストやスタッフの来日の手配やアテンドをしたり…。あと宣伝費の使い道など経理の報告を英語でしたりします。
局長:弁護士、弁理士のような方もいらっしゃるのですか?
小田さん:会社によって、英語ができる法務の方がいることもあれば、社外に顧問弁護士を抱えている会社もあります。国際担当の方がご自身で法務を担っていることもあります。
局長:あと、宣伝に近いところもやらなければいけないんですね。
小田さん:宣伝と密に連絡をとって、タイアップの施策やグッズ生産の許諾申請などにも携わります。
TAKE:映画祭に行ったらひたすら映画を観るんですか?それとも、関心のあるものだけ観るんですか?
小田さん:私はほとんど観ないです。ほとんどミーティングに時間を取られるんです。バイヤーは朝の9時、9時半頃から18時頃まで、30分刻みでミーティングが入っているので、映画はだいたい劇場営業や宣伝部の方が観るという会社が多いと思います。同僚が試写に行って、これは観て欲しいとか、女性の意見が欲しいと言われる時には観ることもありますが、1日1本観るか観ないかですね。
TAKE:映画祭ってレッドカーペットのイメージしかなくて、いまいち何をやっているのかイメージがつきませんでした(笑)。意外と事務的なこともされているんですね。
小田さん:基本的には、あまり華やかなところには触れない印象ですね。打ち合わせばっかりしている感じです(笑)。
TAKE:一作品を買い付けるのにどのくらいの期間がかかりますか?
小田さん:会社に寄りますし、誰が決定権を持っているのかにも寄りますが、その日で決まる時もあれば、何ヶ月もかかったこともあります。
TAKE:その日で決まっちゃう時もあるんですね!!
小田さん:作品にも寄るので、結構ケースバイケースです。
今回の記事担当:TAKE
取材日:2018年5月22日
後編ではこのお仕事に就いた経緯などをお聞きしました。→【後編を読む】
★小田さんが所属するリージェンツの最新作
『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』
2018年6月29日より劇場公開
公式サイト
監督: マイケル・スピエリッグ/ピーター・スピエリッグ
出演:ヘレン・ミレン/ジェイソン・クラーク/セーラ・スヌーク
配給:REGENTS、ポニーキャニオン
ウィンチェスター銃を開発し、莫大な資産を築いたウィンチェスター一族が住んでいた“世界で最も有名な幽霊屋敷”ウィンチェスターミステリーハウス。呪われたように増築を続けるウィンチェスターハウスの歴史に隠された秘密とは?名優ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラーク主演で、身の毛もよだつ実話を映画化。
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