映画業界人インタビューVol.6 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 マーケティング本部 山本一成さん【前編】
Category : 映画業界人インタビュー , ブルーレイ/DVD , テレビドラマ , 大学生・専門学校生
【映画業界の方にインタビュー】第6弾も、エージェントのおこめとパン、TAKEが担当。2人とも『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』の課題で、山本さんにお世話になったメンバーです。今回も2回に渡ってお届けします。
英語は絶対勉強しておいたほうが良い
TAKE:この業界に入ろうと思ったきっかけ、どういう経緯で今のお仕事に就いたか教えてください。
山本さん:映画や海外ドラマが好きで、中学時代からレンタル屋でDVDを借りて観るのがとても好きでした。映画館が近くになかったので、なかなか行けなかったんですが、漠然と映画業界に対して憧れはありました。なのに、大学卒業後はその道に進まずに、金融を学んで、実は一回銀行員になったんです(笑)。
一同:えええ(笑)!?
山本さん:ただ、金融の勉強はしていましたが、実際に働いてみると、やりたいこととは違うなと、ちょっと戸惑いがあり、銀行を辞めて広告代理店に入りました。その時に、自分が本当は何がやりたいんだろうと考えるようになりました。中途採用の場合、特に弊社のような外資系の会社は、25歳以上しか応募ができないんですよね。前の仕事に不満があったわけじゃないんですが、25歳になった時にたまたま、もともと気になっていた映画業界を受けてみようと思って、挑戦してみたんです。広告代理店にいた時に販促に携わっていたこともあり、経験を活かせるかなと思い、DVDなどの販売促進チームに応募して、意外にも受かったので、今に至ります(笑)。
TAKE:撮るほうに、興味はありませんでしたか?
山本さん:撮るほうにも興味はありましたけど、能力がないと自覚していました。代理店にいた時にCM等を作ったりして、クリエイティブで本当におもしろかったんですけど、圧倒的に敵わないと思いました。これからそういう勉強するって選択肢もあると思いますが、僕には考えられなくて。だから、自分に何ができるかと考えると、ここだったら活かせるかもって、それが今やっている仕事に就いた理由だったりします。今の僕にとっては、既にあるものをどういう風に人に受け入れてもらって、ヒットさせるかを考えるのがすごく合っているんです。海外から入ってきたコンテンツを、文化の違いなども考慮しながら、どういう風に日本で展開しようかと考えるのは、すごくおもしろいし、だから外資系企業が合っているんだと思います。
TAKE:では、学生の頃にやっていて今仕事で役に立っている事はありますか?学生のうちにやっておいたほうが良い事は何ですか?
山本さん:ずっと実家の飲食店を手伝っていたので、その流れで大学でも飲食店で働いてたんですけど、周囲の状況を把握するとか、お客様からクレームがあったらちゃんと謝るとか(笑)、そういう基本的な事はそこで学びました。サークルやゼミなどで、それぞれ役割分担して、組織的に運営するという経験も役に立ちました。当時、僕は広報として貢献することが多かったですね。
TAKE:当時からそういう分野に興味がおありだったんですね。
山本さん:そうですね。サークルやゼミでは、アルバイトの範囲ではなかなかできないことに取り組むなかで、今の仕事の基本を学べたと思います。
局長:突然すごく生々しいことを聞くんですが(苦笑)、外資系だとTOEICの点数がかなり高くないと入れないですよね?
山本さん:いろいろなパターンがあって、僕の場合はTOEICの点数はあまり高くなかったですし、ここに入社した時は、販促担当だったので英語はあまり使わなかったんです。英語力が必要なのは、マーケティングやリーガル、ファイナンスなど、本国側と確認をする人達ですね。マーケティングに異動した後は必要になったので、TOEICで何点採れとは言われましたけど、実際はTOEICの点数より、英語でコミュニケーションできるか否かだから。文章は、今ではいろいろなツールがあって、比較的対応しやすいんですけど、直接面と向かって話す時や、電話の場合は、いかに円滑にコミュニケーションできるかが本当に重要なので、英語は学生のうちに絶対勉強しておいたほうが良いと思います。僕も学生時代に短期間でも留学しておけば良かったなって思いますもん。あと、自分としてはマーケティングをもうちょっと勉強しておけば良かったなと思いました。どの学部にいても良いんですけど、マーケティングの基礎をある程度知っていれば、僕のような仕事にはすごく役に立つと思います。
今回の記事担当:TAKE
■取材しての感想
実はタイミングとしては、この回が私の初めてのインタビューでした。山本さんとは『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』の課題で以前にお会いしていましたが、今回のようにお話をゆっくり伺う機会は初めてでした。映画業界についてのたくさんのエピソードを紹介して頂き、改めて自分の好きなことをお仕事にするというのは幸せだなと感じました!!
取材日:2018年5月16日
『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』に取り組む機会を与えてくださった山本さん。いつも学生の意見を尊重し、優しく見守りながら、伸び伸びとやらせて頂きました。今回のお話からも学生時代の経験の大切さを示してくださったのがわかります。→【後編を読む】
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製作総指揮:ブライアン・シンガー
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20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
ウルヴァリン達、X-MENがいなくなった後の世界で、政府から迫害され、身を隠すミュータント達が奮闘するストーリー。一家が主人公という点でも、これまでの” X-MEN”シリーズと一線を画す。毎話、映画さながらのスケールで魅せる迫力のアクション大作。
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講師マイソンPROFILE
トーキョー女子映画部主宰/学生映画宣伝局・局長。
映画分野を中心に、紙媒体、WEB媒体の編集者、ライター歴は約25年(2024年11月現在)に及ぶ。また、大手教育系企業の紙媒体、WEB媒体でも約10年間、ディレクターとして従事した。
インタビューはハリウッドスターを含め、国内外の映画人はもちろん、宇宙飛行士や各分野の専門家、経営者、一般の方まで600名以上に取材経験あり。保有資格等は、認定心理士、キャリアコンサルタント/ビジネス著作権検定上級。
同志社大学文学部英文学科卒業。一般企業勤務を経て、2010年に株式会社TSトーキョーを起業(現職)。社会人学生として、武蔵野大学人間科学部人間科学科心理学専攻(通信制)3年編入にて卒業。その後、某大学院に進学、2024年現在は博士後期課程に在学中。研究専門分野は心理学と映画。資格の学校で臨床心理学の講師歴あり,某大学でアカデミックライティングの指導員も務める。